テレビアニメ「ガンダム Gのレコンギスタ(G-レコ)」の劇場版「Gのレコンギスタ」の第3部「宇宙からの遺産」(富野由悠季総監督)のスタッフトークが8月25日、新宿ピカデリー(東京都新宿区)で開催された。サンライズの仲寿和プロデューサーが会場に登場し、メカデザインの安田朗さん、形部一平さんがリモートで参加。メカデザインの秘話を明かした。
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「劇場版があるんだったら、もうちょっとデザインを描き足したかったという思いはありましたか?」という質問に、安田さんは「もう、たくさんありました。G-セルフの高速パックとマリンパックは入れたいと思っていたんですが、テレビシリーズの時にこちらが数多く提案したことで、怒られたことがあったんです。それで、富野監督の演出の疾走感の邪魔をしたのではないかと……。そういう意味では、劇場版は今ある材料でどこまで富野監督の演出が走るのかというのを見たかったというのはあります。だから、あえて何も足さない方がよかったんじゃないかと思いましたね」と語った。
形部さんは「僕は勝手にデザインを出しすぎた立場なので、既にメカの数が過多になっている部分もあると思うんです。ただ、一つだけ思うのは、カバカーリーのラストバトルの時に、G-セルフのパーフェクトパックと張り合えるように、カバカーリーのバックパックも変えてもよかったかなと思っています。そのシーンは、劇場版ではかなり先になりますけどね」と語った。
G-セルフのバックパックのデザインが増えた理由が話題になると、安田さんは「富野監督と話している時、『俺のシナリオは、どんなメカを出しても、そのシーンをちゃんと入れられるようになっているんだ』とすごく自慢されたので『だったら、いくらでも増やそう』とたくさん提案を出したんです。そうしたら、怒られたんですよね(笑い)。それは、僕がデザインを上げるのが遅かったというのもあるんですが……」と明かした。
安田さんは、自身がデザインしたレクテン、G-セルフのコックピットについて「レクテンは、身長が17メートルに設定されているんですが、本当は15メートルにしたかったですね。富野監督からは『復座にしてほしい』と言われたので、二人乗りだからと大きくしたんですが、そういう場面は全然出てこないです(笑い)。G-セルフは一人乗りなのに四人も乗ったりしていますが(笑い)」と話すと、仲プロデューサーも「コックピットに複数人数を乗せる演出を富野監督はよくやるけれど、なぜか複数乗りの機体ではそれをやらないですね」と語った。
さらに、安田さんは「G-セルフのコックピットは僕的に格好よく描いたんですが、富野監督から『こんなコックピットに乗るのは地獄だ』と言われて。最終的にいろんな部分を取り払ったんですが、映像を見たら『たくさん人を入れたかったんだな』って思いましたね(笑い)。富野監督からの説明を聞くと『宇宙空間ではへたをすると何日も漂流することになるかもしれないから、その中で人間が生きていくためにはある程度の広さが必要なんだ』とも言っていましたね」と話した。
「ガンダム Gのレコンギスタ」は、「機動戦士ガンダム」誕生35周年記念作品の一つとしてテレビアニメ版が2014年10月~15年3月に放送。地球のエネルギー源を宇宙よりもたらすキャピタル・タワーを守るキャピタル・ガード候補生のベルリ・ゼナムの冒険を描いた。劇場版は、テレビアニメ全26話に新たなカットを追加。全5部作として上映される。
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