アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインなどを担当した安彦良和さんが監督を務める劇場版アニメ「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」(6月3日公開)のイベントが3月9日、東京都内で開催された。「ククルス・ドアンの島」は、1979年に放送された「機動戦士ガンダム」のテレビアニメ第15話のエピソードで、主人公のアムロ・レイが敵対するジオン軍の脱走兵ドアンとの交流を通じて、戦争の哀愁が描かれた。劇場版では第15話を改めて描く。安彦監督がMS-06F ドアン専用ザクのデザイン秘話などを語った。
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第15話は一部で“神回”とも呼ばれている。一方で作画が話題になることもある。安彦監督は「神回と言っても、出来が悪い話。有名なことなので、隠してもしょうがない。作画崩壊で検索すると『ククルス・ドアン』が出てくる。因縁のある話」と感じているという。
ドアン専用ザクは、ククルス・ドアンがジオン公国軍のサザンクロス隊を率いていた際に搭乗していた機体。地球侵攻作戦中に脱走したため、倒した相手の機体から部品を回収し、ドアン自身でそれらを用いて機体を補修、改修した。一部装甲は剥(は)がれたままになっており、左右非対称な部分も多い。第15話のドアン専用ザクを継承しつつ、新たにデザインされたようだ。
ヒートホークを持つドアン専用ザク、RX-78-02 ガンダムが対峙(たいじ)する姿が描かれたティザービジュアルも公開された。第15話ではドアン専用ザクが、正拳突きを繰り出すシーンもある。
安彦監督は「ヒートホークを持っているのは、(第15話で)武器を持っていなかったのを最近まで知らなかった。正拳突きだけだと戦えないだろうと。見るにたえなかった。いろいろなことをスタッフに教えられた。スタッフに『異様でなければ』といわれるが、それは単なる作画の崩れだろうと思う。(メカデザインの)カトキ(ハジメ)さんもその一人」と語った。
安彦監督は、制作状況について「順調です。この間、ダビングが終わりました。もうすぐ完成です。褒めてください」と明かした。約20分の第15話を劇場版としてどのように描くのだろうか? まだまだ謎も多い。公開に向けて期待が高まる。
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