名探偵コナン
#1140「女子会ミステリー3」
11月2日(土)放送分
マンガアプリ「GANMA!(ガンマ!)」で連載中のましろさんのラブコメディーマンガが原作のテレビアニメ「山田くんとLv999の恋をする」。予期せぬ失恋に落ち込む女子大生・木之下茜とゲーマー男子高校生・山田秋斗の恋を描いた作品で、「カードキャプターさくら」「NANA」「ちはやふる」などで知られる浅香守生さんが監督を務め、マッドハウスが制作する。同作は、テンポのよさが魅力の一つになっている。個性的なキャラクターによる会話などがアニメになることで、より魅力的に見える。浅香監督は、アニメ化にあたり、“ある実験”を試みたという。制作の裏側を聞いた。
あなたにオススメ
“あの頃”のジャンプ:実写ドラマ化も話題「ウイングマン」 1983年を振り返る
「山田くんとLv999の恋をする」は、「第6回みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」で大賞に選ばれ、コミックスの累計発行部数が200万部を突破した話題作。浅香監督は、原作を読み「テンポのよさ」と「キャラクター」に着目したという。
「テンポがよく、キャラクターが際立ってるところが、とても面白い作品です。特に山田が印象的でした。序盤は、登場人物は多いわけではないのですが、世界観が広がっていて、不思議な感じがしました。世界が広がっているけど、キャラクターの視界が広いわけではありません。そのギャップも面白く感じたところの一つです。アニメ化するために、原作から情報を得ようとするのですが、情報がそんなに多くないことに気付き、それでも世界が広がっているところが、すごいと感じました」
浅香監督が特に印象的だったという山田は、進学校に通う男子高校生兼プロゲーマー。その腕前から、ゲーマー界隈ではそれなりに有名で、外見は超イケメンだが、他人、特に女性とのコミュニケーションが苦手だ。内山昂輝さんが演じている。
「省エネで、最小限の言葉で全て済んでしまう。山田としては、好意を寄せてもらおうと思って行動していないけど、それでもすごく気になってしまう。その辺がよくできたキャラクターで、難しいキャラクターでもあります。表情がキツく見えるかもしれませんが、怒ってるわけじゃない。他人に対して嫌な感情で接しているわけでもない。そういう性格なんです。声の芝居も怒っているわけではなく、ぶっきらぼう、無表情にやってもらっています。ぶっきらぼうだけど、それだけではないですし、それを最小限の言葉で表現するのは、すごく難しい。内山さんならではですね」
山田はイケメンでハイスペック、クールだが、イヤミなキャラクターには見えない。その辺りのバランスが絶妙だ。
「(キャラクターデザインの)濱田邦彦は柔らかい画(え)を描くので、向いていると思います。どうしてもみんな山田を格好よく描こうとするのですが、格好よく描こうとすると失敗します。実際に格好いいので、難しいのですが。実は、目が見えているカットが少ないんです。髪で目を隠したりしています。目を見せると、内面が見えすぎてしまうので、内面をあまり見せない芝居、演出をしようとしています」
一方、茜はポジティブでコミュニケーション能力が高い。よくしゃべる茜とクールな山田は対照的にも見える。茜役の水瀬いのりさんの熱演も光る。
「茜は、描き方によっては、視聴者に嫌われるかもしれないキャラクターだと感じました。視聴者が自分を投影して見るキャラクターなので、何かを間違えれば、自分との相違点に引っかかってしまうかもしれません。茜は、前向きなところが魅力です。なので、カメラや表情を変えるタイミングに気をつけようとしました。コミカルなキャラクターではありますが、狙っているのではなくて、自然な行動の延長でコミカルに見えるようにしています。本人は真剣です。声の芝居も『笑わせようとしないでほしい』とお願いしていました。コミカルな画で、声の演技でも笑わせようとすると、見ている人は笑えなくなってしまうので」
山田や茜は現実世界だけでなく、ネットゲーム「Forest Of Savior」の世界でも交流する。アニメは、現実世界、ゲームの世界の色彩の美しさも目を引く。
「原作から感じた印象で、色を決めています。ゲーム内は少しはっきりした感じで、現実は少しフワフワしたきれいな世界にして、世界の差を表現しようとしました。主線の色も変えています。現実は青っぽく、ゲームは赤っぽい。ゲームと現実で、世界が変わったところを見せようとしました。一方、チャットのやり取りを現実の空間に見せるなど、ゲームの中の表現を現実に落とし込み、シームレスにつなげようとしました」
テンポのよさも魅力だ。浅香監督はテンポ感にこだわった。
「山田が住んでいるアパート、茜が住んでいるマンションなどの外観の設定は一応ありますが、ほぼ見せていません。コンビニ、大学の外観も出てきません。セオリーとして、建物などの全景を見せて、位置関係を説明してから、芝居を進めることが多いのですが、場所を説明するための尺を使っていません。無駄がなくなり、キャラクターの芝居を見せる時間が長くなります。次のシーンのキャラクターが重なって、すぐに芝居に入ることもあります。間を取りたいところ以外は見せていません」
意識せずに見ていると気付かないかもしれないが、確かに場所の説明がほとんどない。しかし、キャラクターがどこにいるのか分かる。何とも不思議だ。
「原作でキャラクターが住んでいる場所などの説明がほぼありませんし、この作品に合うんじゃないか、と実験しました。ほかの作品でもやったことはありましたが、ここまで徹底してやったのは初めてです」
あえてセオリーを外しても、違和感なく成立しているのは、浅香監督をはじめスタッフの手腕によるところも大きいはず。もちろん、意識しなくても楽しめるが、“実験”に注目しても面白い。「山田くんとLv999の恋をする」は奥の深いアニメだ。
高橋留美子さんの大ヒットマンガ「らんま1/2」の“完全新作的アニメ”の“アップデートバージョン”キービジュアルが公開された。第4話で、乱馬と良牙の勝負に巻き込まれ、あかねが髪を切…
アニソンの充実ぶりで知られるタワーレコード新宿店のアニメ担当バイヤー樋口翔さんが、アニソンの売れ筋や販売現場の生の声を伝える「新宿アニソンスコープ」。同店の10月20~27日の1…
人気アニメ「ガンダム」シリーズの「機動戦士ガンダム 水星の魔女」の主人公スレッタ・マーキュリーのフィギュア「キャラモビ メカぐるみ スレッタ・マーキュリー【ガンダム・キャリバーン…
「第26回手塚治虫文化賞」のマンガ大賞に選ばれたことも話題の魚豊さんのマンガが原作のテレビアニメ「チ。-地球の運動について-」の第6話「世界を、動かせ」が、NHK総合で11月2日…