ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の芥見下々(あくたみ・げげ)さんのマンガが原作のテレビアニメ「呪術廻戦」の第2期。呪術師、呪詛師、呪霊が渋谷に集結し、かつてない大規模戦闘を繰り広げる「渋谷事変」で、声優陣の熱演も話題になっている。10月26日にMBS・TBS系で放送される第38話(第2期・第14話)「揺蕩」では、1級呪術師の冥冥(めいめい)とその実弟・憂憂(ういうい)の共闘が描かれる。「渋谷事変」の序盤から冥冥と憂憂の姉弟愛あふれるやり取りはファンの注目を集めている。冥冥役の三石琴乃さん、憂憂役の三瓶由布子さんに収録の裏側、互いの魅力について聞いた。
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三石さん さまざまな場所でいろいろなことが起こっているので、全体を把握するのが難しいですね。冥冥と憂憂は、割と単独行動というか、「請け負ったからここだけやるわね」というスタンスなので、ほかの人が何を頑張っているのか、あまり興味はないんです。
三瓶さん それは間違いないです(笑い)。
三石さん あとは、まんまと中村(悠一)くん(五条悟)が封印されてしまったりと、予定よりも過酷な戦いになっていますよね。報酬を倍にしてもらわないと割に合わないわっていう気持ちでございます(笑い)。
三瓶さん まさにその通りだと思います。「呪術廻戦」は、最初から命懸けの戦いをしている作品だと思うのですが、その中でも「渋谷事変」は屈指の戦いで、命がどんどん消えていく、ずっとヒリヒリしているような状態なのかなと。ずっと過酷だったはずなのに、ここからがようやくスタート地点といっても過言ではない。夏油(傑)さんの“裡(うち)にいる何者か”がやろうとしていることが、形を持って表われ始めたのかなと思います。毎週見ていてハラハラして、全く落ち着きません。でも、そんな中でも、憂憂は冥冥と一緒に行動しているので、すごく安心感があります。
三瓶さん すごくうれしかったです。三石さんが姉様の冥冥を演じられているというのもすごくうれしかったですし、冥冥と憂憂の関係性がとても面白いなと思いました。本当の姉弟なのだけど、姉弟らしくないというか。でも、ちゃんと愛情もあって、この家族だけの関係性なのかなと。だから、普段二人がどんな生活をしているのか、すごく気になります。
三石さん 私は、絶対に二人は血がつながっていないと思っていたのに、憂憂の資料を見て「実弟」と書いてあったから「えぇっ!!」とびっくり仰天。
三瓶さん およそ私たちが思っている家族や姉弟の感じではないですよね。
三石さん 感覚が違うよね。
三瓶さん 一にも二にも姉様で、姉様への愛だけで存在しているキャラクターなのかなと思うと、すごく演じやすかったです。ただ、収録では、憂憂の姉様への愛が大きすぎたのか、スタッフの方に「もうちょっとできる子でいてください」「もうちょっと普通の感じに」とディレクションをいただいたので、バランスに気をつけております(笑い)。アニメでは、表現として憂憂の表情が崩れたり、面白く動いたりというところが原作よりも大きくなっているのかなと思うので、演じていて面白いです。
三石さん 冥冥は、守銭奴という分かりやすい設定があって、お金への愛をいちずに持っているというところで演じやすさもあるのですが、それ以外のことが本当に分からない、謎に包まれた人ですね。私は、アニメーションの場合は、二次元のものを三次元にしようという意識でしゃべっているので、日常会話よりは声を前に出しデフォルメした表現にしているのですが、冥冥の場合は、画(え)が物語ってくれているので、それはなくても成立するんだと。そう感じた初めてのキャラクターですね。
三瓶さん 三石さんが演じられている冥冥は、すごく独特な間(ま)というか、テンポというか。本当に流れるようにお話しされるので、憂憂的には自分が話していないシーンも「さすが姉様……!」と心の中でずっとしゃべっているんじゃないかなと(笑い)。あんなにヒリヒリした現場で、あの子だけうれしそうで、現状の大変さよりも「姉様!」みたいな。冥冥と憂憂は、お互いお金とか愛とか、価値観や好きなものがはっきりしているという意味では似ているのかなと。二人の会話も成り立っているのかな?と思うほど、すごく独特で。ただ、一人で家で台本を読んでいる時よりも、一緒にいてもらった時のほうが、より愛情が増すというか、すごくやりやすかったです。
三石さん そう、すごく愛が伝わってくるので「ちょっともてあそびたいな」という気持ちが芽生えてきて、テストよりも本番は、グッとささやいたりして。すると、それに応えて、三瓶ちゃんも距離感を変えて返してくださるので、もう本当“愛い奴(ういやつ)”の極み。元々私もおバカ寄りの憂憂を想像していたんだけど、ダメ出しが出た時に、賢くてできる憂憂にすぐに修正されていたので、さすがだな、勘のいい女優さんなんだなと思っております。
三瓶さん うれしすぎる! もてあそばれるのもうれしいので、「あ、どうしよう」とかじゃなくて「うわ、きた!」みたいな(笑い)。三石さんのお声が入った冥冥は孤高の存在というか。だからこそ憂憂も慕って、もっとそばにいたい、もっと役に立ちたいと思うのだろなと。決して全部を見せてくれないミステリアスな女性でもあり、人間としてもすごく魅力があふれているんだなと感じます。あとは、先程、守銭奴とおっしゃっていましたけど、自分の中の価値観がすごくはっきりしていて、だからこそ引き際もはっきりしている。これ以上行く、行かないというのを他人に委ねないで自分で決めるのもすごいことだなと思います。だから、この世界の中で独特の存在なのかなと。
三石さん 死んじゃったら元も子もないもんね。
三瓶さん すてきです! その通りです!
三石さん 二人のちゃんとした戦闘の描写は初めてだと思うので、そこは貴重な見どころの一つですね。
三瓶さん 冥冥は、戦いの中でもテンポが崩れないので、やっぱり強いんだな、麗しいなと。私的に好きなのは、冥冥が疱瘡神の術式で棺おけに閉じ込められた時に「せまっ」と言うシーンです。あの冥冥がめっちゃ可愛いなと。あのシーンで、憂憂も一緒に棺おけに入っていたら、めっちゃ興奮していたと思います(笑い)。
三石さん この箇所は、アフレコ台本上ではせりふがなかったんです。先生が手書きで書いた冥冥のエッセンスも音声にできてよかったです。
三瓶さん 序盤で、冥冥と憂憂、虎杖(悠仁)くんが3人でいるシーンは、漫才っぽい感じでしたよね。いちゃいちゃしている二人の間に虎杖すら入れない。「渋谷事変」のすごくギスギス、ヒリヒリした中で、二人は心のオアシスみたいな。
三石さん オアシスだよね、私たち。
三瓶さん 私たち、オアシスです(笑い)。
三瓶さん 冥冥と憂憂と同じようにきょうだい愛という意味では、脹相(ちょうそう)ですかね。あそこのきょうだいは濃いですよね。脹相役が浪川大輔さんで、壊相(えそう)役の檜山修之さんに、血塗(けちず)役の山口勝平さん。なんて濃い(笑い)。
三石さん 私のお気に入りを挙げるなら女子たちかな。(釘崎)野薔薇ちゃんとか。強いし、格好いい。女の子が好きになっちゃう女の子が多いなと思います。あとは、虎杖を推しておこう。
三瓶さん (虎杖役の)榎木(淳弥)くん、三石さんに推されたこと光栄に思いなさい(笑い)。私は、呪霊側ではありますが、漏瑚(じょうご)も好きです。漏瑚の「100年後の荒野で笑うのは儂(わし)である必要はない」というせりふがありますけど、見方によっては呪霊のほうが幸せそうにも見えてきて、今を生きている人間とは、考え方や概念が違うんだなと。呪霊だけど、公園でみんなでシャボン玉で遊んだり、マージャンを楽しんでいるのを見ると、癒やされますし、憎みきれない部分がある。呪いは人間が生み出したものだから、人間臭さもあるのかなと、面白いなと思います。
三石さん ジャンプ作品ではあるけれど、勧善懲悪ではなく、人間のダメなところと人間自身が戦っている。それをキャラクターに当てはめて描いている。アニメでは、原作絵が動いた時のスピード感や色使い、演出にすごいこだわりを感じます。監督や強者アニメーターさんの力が皆さんを魅了しているんじゃないかなと思います。
三瓶さん 力のある原作がアニメになって、呪いの威力が表現されて、キャラクターが画面の中で動き回るって、すごい仕事なんだなと感動しています。毎回命のやり取りがある中で、それぞれが自分たちの目的のために必死にあがいている生き様が、見ている人たちを引きつけているのかなと思います。原作の魅力を決して損なわずに全部拾って描き切りたいと、皆さんがパワーを込めて作っている作品なんだということが、すごく伝わってきます。そんな作品に携われていることがうれしいですね。
三瓶さん 姉様の活躍を余すことなく楽しんで、憂憂と同じ顔になったら、あなたもファンクラブの一員です。
三石さん 憂憂はファンクラブで稼いでいるの?(笑い)。
三瓶さん そんな姉様を売るなんて! 皆さん、姉様を一緒に推しましょう。
三石さん では、私は冥冥のせりふを使わせてもらって……私のために見てくれるかい?
三瓶さん はい! 姉様!
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