NHK大河ドラマ「光る君へ」(総合、日曜午後8時ほか)の藤原妍子役も話題の倉沢杏菜さんが、11月23日から東京・本多劇場、12月12日から大阪・サンケイホールブリーゼで上演される舞台「138億年未満」に出演する。今年4~5月に放送されたNHKの夜ドラ「VRおじさんの初恋」、7月期の連続ドラマ「ビリオン×スクール」(フジテレビ系)、そして「光る君へ」と活躍が続く倉沢さんに、初舞台への意気込みなどを聞いた。
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「138億年未満」は、ニッポン放送開局70周年記念公演で、福原充則さんの作・演出で2019年に上演された「小渕と韮沢」を、若者の希望と挫折、そして“故郷”をキーワードに、長編のオリジナル青春群像劇として福原さん自ら書き直した。主演は作間龍斗さんで、ヒロイン役を桜井日奈子さんが務める。
「いわゆる稽古場も初めてで」と明かす倉沢さん。
「演出の福原さんをはじめ、音響の方だったり、制作の方だったり、たくさんの方がいらっしゃる中でお芝居をするのが、まるでオーディションを受けているようで、最初は結構、緊張してしまって。舞台ということで動きをしっかりと分かりやすくつけたり、新しく学ぶことがすごく多くて、日々、難しいことがたくさんありながら、楽しくやらせていただいております」
倉沢さんは大阪の大学生役を通して大阪弁にも挑戦。
「言葉は結構、苦戦しつつ、頑張って取り組んでいることの一つです。実際に大阪でも公演があるので、きちんとものにしなければいけないなって身を引き締めてやっている最中です」
また今回の舞台ではダンスを踊る場面も。
「今、流行(はや)りのダンスって感じではなくて、“踊る”というよりかは“身体表現”に近い感じです。もともとクラシックバレエを習っていたので、それが強みになる場合もあるのですが、今回は、その基礎がある上でいかに崩すかってところがすごく大事になっています。クラシックバレエで培ったきれいな踊りを崩すっていうのが私にとっては初挑戦で、苦戦しつつも新しい発見もあって、大阪弁と合わせて日々格闘しながら頑張っています(笑)」
19歳で現役の大学生でもある倉沢さん。役と自身とが重なる瞬間もあるとか。
「ただ楽しいだけじゃない、将来について思い悩む年頃で、普段から大人になるってことが身近になってきたなとすごく感じていたので、将来への不安と今の日々とで揺れ動く役の感情にはすごく共感できるなって。なので稽古中に登場人物が葛藤している姿を見て、感情移入して泣いてしまうこともあって、実際に自分がそういう年齢だからこそ、というのはあるのかなって思ったりもしましたね」
将来への不安が身近にありながらも、「意外と怖いもの知らずなところがあって、自分でも驚くときがある」と“素顔”をのぞかせる倉沢さん。大学では英文学を専攻し、第二外国語として韓国語も習得するなど、ゆくゆくは海外作品への出演も夢見ている。
「英語は元々、幼稚園の頃に母が見せてくれた『ハイスクールミュージカル』をきっかけに興味を持つようになって。進学した中学で、先生に見いだしていただく形で、スピーチコンテストに出場するようになって、そこで初めてがっつり英語を学んで、大きくのめり込むようになりました。なので語学を生かせる海外作品にはいつかは、という思いもありますし、英語圏に限らず、韓国の作品にも出られたらいいなと思っています」
そんな倉沢さんは、「VRおじさんの初恋」を皮切りに活躍が続いた2024年を「出会いの1年」と位置付ける。
「振り返ってみると、いろいろなことをしてきたなと思う反面、いまここにいる自分は、1年前と比べて意外と変わったところがないと自分自身は感じています。ただ目の前にあることを一生懸命やるってことを積み重ねてきて、その積み重ねてきたことを一緒に喜んでくださる方が増えたのは間違いないですし、私が周りの方たちと一緒に作ってきたものが、誰かに届いているんだってことはすごく実感できた1年ではあったのかなって。プラスして本当にたくさんの方々と出会わせていただけて、なので今年は“出会いの1年”だった気がしますね」