TBSの田村真子アナウンサーの初のフォトエッセー「TBSアナウンサー・田村真子1stフォトエッセイ 陽がのぼるほうへ」(太田出版)が、8月27日に発売される。来年2月に30歳となる田村アナにとって「20代までの人生の記録」というエッセーに込めた思い、改めて感じた“田村真子”という人間について話を聞いた。
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フォトエッセーは、カルチャー誌「Quick Japan」と同誌の公式ウェブメディア「QJWeb」に毎月掲載されてきた連載エッセーに新たな書き下ろしと書籍オリジナルコンテンツを加えた一冊。60ページ以上のフォトストーリーでは、「20代最後の小旅行」をテーマに自然豊かな渓谷や欧風の可愛らしいコテージ、趣味の美術館巡りをロケーションに撮影と、旅先でリラックスした自然体な姿を披露。親友のタレント・近藤千尋さんとの対談も収録される。
「本の中では社会人になりたての頃の葛藤があった時期のことも書いています。同年代や社会人になったばかりの方などにも読んでいただけたら、『不安があるのは自分だけじゃないんだ』と思っていただけるのかなと思います。私自身、ニコニコしていることが多いですし、『ラヴィット!』も楽しくやっていますが葛藤も悩みもあります。そんな中で頑張っているので、『みんな頑張ろう!』というメッセージが伝われば」と読んでもらいたいポイントを語った。
葛藤や悩みがあるという田村アナだが、周囲からは「悩みがなさそうでいいよね」と言われることもあるという。
「私は常に何かを考えているんです。日常生活でも仕事でも、オンエア中にも考えてしまうこともあるのですが。テレビの印象よりも割といろいろなことを考えています(笑)。すごく考えていますし、自分なりに分析もしているので、それは本を読んでいただけたらわかると思います」
エッセーでは、高校時代や大学時代の友人からのコメントも掲載されており、改めて自分がどのような人間であったのか気づくきっかけにもなった。
「社会人になってから立場もあるので、自分は真面目な人間だと思っていたのですが、素の自分はひょうきんというか、訳の分からないことを言ったりやっていたなと思いました。だからこそ『ラヴィット!』でも楽しくわちゃわちゃやったり、(罰ゲームの)ビリビリを受けたりもしていられるのかなと。アナウンサーとしてしっかりしなければというバランスを持って仕事をしていますが、根本的には芸人さん側に近いのかな(笑)」
「学生時代は芸人さんのものまねを教室でやっていたこともありましたし、けっこう面白い子だったんだなと、振り返って感じました。今はなかなか素を出す機会はないのですが、本来はそういう人間です」
充実した20代を経て、今後どのようなキャリアを思い描いているのか。
「『ラヴィット!』が始まって、特にこの2年とかはかなり時間が経つのが早かったです。20代はちょっとしんどいくらいでも頑張った方がいいという思いがあって、駆け抜けてきました。大変ですけど、振り返ったらこの時期が大きかったと思えるだろうと確信しているので頑張っています」
「30代で何かがガラッと変わるわけではないと思いますし、『ラヴィット!』をこれからもずっとやっていれば同じような日々かもしれません。今までは先のことを考えず、上司との面談で『どういう仕事をやっていきたい?』と聞かれても、『ラヴィット!で今が必死すぎて……』としか答えられなかったんです。30代になったらもう少し長い目で自分のキャリアを考えていきたいですし、心のゆとりも作れるようにしたいと思います」
そんな田村アナだが、生放送の『ラヴィット!』でガヤガヤする芸人を収めて番組を滞りなく進めるMC力や、7月30日に津波警報が発表された際には、ガラッと表情が切り替わり冷静にニュースを伝える姿もSNSで話題になっていた。
「活躍されている先輩たちのようになれるものならなりたいと思いつつ、『ラヴィット!』という特殊な経験をした私にしかできないこともあると思っています。こんな経験をしているアナウンサーはなかなかいないと思うので、これを生かした仕事ができればと思っています」
田村アナは1996年2月3日生まれ、三重県出身。上智大文学部新聞学科を卒業後、2018年にTBSテレビ入社。現在は、朝の生番組「ラヴィット!」、「知識の扉よ開け!ドア×ドア クエスト」(金曜午後9時)のMCなど、バラエティー番組を中心に活躍している。