解説:「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」第6回 アムロ、カミーユ、ジュドー そしてハサウェイへ 主人公の系譜

「機動戦士Zガンダム」に登場するカミーユ・ビダン(c)創通・サンライズ
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「機動戦士Zガンダム」に登場するカミーユ・ビダン(c)創通・サンライズ

 劇場版アニメ「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ」(村瀬修功監督)の最新作「機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女」が1月30日に公開された。宇宙世紀を舞台とした作品で、主人公のハサウェイ・ノアは、1979年に放送を開始したガンダムシリーズ第1作「機動戦士ガンダム」で出会ったブライト・ノアとミライ・ヤシマの長男だ。「閃光のハサウェイ」を解説する連載の第6回では、宇宙世紀を舞台としたテレビアニメ「機動戦士ガンダム」「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダムZZ」、そして「閃光のハサウェイ」の主人公たちが紡いだ物語を振り返る。

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 ◇ハサウェイに影響を与えた“理想”

 第1作「機動戦士ガンダム」の主人公のアムロ・レイは、ホワイトベースの乗組員として戦いに巻き込まれ、地球連邦軍の新兵器・RX-78-2ガンダムのパイロットとなる。元は一般市民だったが、戦争を通じて戦う責任と仲間との結びつきを深め、ニュータイプとして覚醒していく。アムロとライバルのシャア・アズナブルの関係は宇宙世紀を象徴する“宿命の対立”となり、以後の作品に影響を与え続ける。

 1988年公開の劇場版アニメ「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」でもアムロとシャアが激突し、二人の理想は、ハサウェイに大きな影響を与える。

 ◇葛藤するカミーユ ジュドーは?

 1985年放送の「機動戦士Zガンダム」の主人公、カミーユ・ビダンは、「機動戦士ガンダム」から約8年後のU.C.(宇宙世紀)0087に登場する。カミーユは学生生活から一転し、反地球連邦組織エゥーゴのパイロットとして戦火に身を投じることになる。極限の戦闘、仲間の喪失、自身のニュータイプ能力の成長の過程は、カミーユの精神的な負担となり、最終決戦で精神的に大きく傷つくことになる。シリーズ屈指の“内面の葛藤”が描かれた。ニュータイプとしての可能性と苦悩が物語に深みをもたらした。

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 1986年放送の「機動戦士ガンダムZZ」の主人公、ジュドー・アーシタの物語は、戦後の混乱期に生きる若者たちの視点が色濃く描かれた。「Z」とは対照的に、ジュドーは、明るく元気いっぱいな主人公として登場した。放送当時、これまでとのギャップに驚かされた視聴者も多かったが、物語が進む中で、“ガンダムらしい”展開も見せていく。

 ◇戦争と平和 理想と現実の絶え間ない循環

 「閃光のハサウェイ」の主人公、ハサウェイはU.C.0105、腐敗した地球連邦政府に反旗を翻す反地球連邦政府運動「マフティー」のリーダーとして立ち上がる。

 ハサウェイは、幼い頃からアムロとシャア、そして父・ブライトの戦いを目の当たりにして育った。地球連邦政府の腐敗に対して、“理想を実現するための手段”として過激な行動に走る。アムロやシャアが抱いた未来への願い、理想とも重なるが、ハサウェイは葛藤することになる。ハサウェイの葛藤は、宇宙世紀の主人公がたどってきた歴史を象徴しているのかもしれない。

 宇宙世紀は戦争と平和、理想と現実の絶え間ない循環の中で物語を紡いできた。その系譜は「閃光のハサウェイ」という一つの大きな物語へと収束していく。(阿仁間満/MANTANWEB)

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