インタビュー:IMALU 早口やオーバーな演技「難しかった」 声優と主題歌に初挑戦

声優初挑戦は「難しかったけれど勉強になった」というIMALUさん
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声優初挑戦は「難しかったけれど勉強になった」というIMALUさん

 公開中の映画「アーサーと魔王マルタザールの逆襲」(リュック・ベッソン監督)の日本語吹き替え版で情報屋のリプレイの声を担当し、声優デビューを果たしたIMALUさん(20)。日本版主題歌「Uh Uh(ウッウー)」を歌い、歌詞も自ら書き下ろした。「音楽はあこがれていた世界なので、頑張りたい」と話すIMALUさんに声優や主題歌デビューの感想と今後について聞いた。(細田尚子/毎日新聞デジタル)

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 「アーサーと魔王マルタザールの逆襲」は、07年に日本で公開された「アーサーとミニモイの不思議な国」の続編。少年アーサーが身長2ミリのミクロサイズに変身し、ミニモイ国で大冒険する実写と3Dアニメーションを融合させたファンタジーの3部作第2章だ。

 IMALUさんは今回から登場したキャラクター、情報屋のリプレイを演じている。リプレイは英語版では米ヒップホップグループ「ブラック・アイド・ピーズ」のファーギーさんが声を担当したことで話題を呼んだ。IMALUさんは赤毛でドレッドヘア風の髪形をしたリプレイの姿を見て、「びっくりしました。男か女かもちょっと分かんない感じで」と驚いたが、ファーギーさんがやっている声を聞いて「すごくファンキーでカッコいい役だと思いました。少ししか出ていないのにインパクトがある役。ファーギーさんはわざと(ハスキーな)かすれ声で演じていて、(声優は)初めてでそこまでできないなと思って、スタッフの方とも相談しました」という。スタッフからの注文は「元気よく、テンション高めでリズム感のある早口で」というもので、IMALUさんは「へんにまねしないで元気よくやるのが大事だと思った」と、自分らしく演じた。

 声優初挑戦を終えて、「難しかったですね。演技もそんなにする機会がないですし、それなのに声だけで演技するっていうのはすごく大変でしたけど、自分にとっては勉強になりました」と振り返る。「情報屋なので、早口で『いつ、どこ、何時何分?』とか早口で質問攻めにするところは、すごく速くて、タイミングとか難しかったですね」といい、とくに声を出すときに「私の声質だとか性格上、オーバーにしているつもりでもあんまりオーバーに聞こえないときがあって、声だけで表現しなくちゃいけないので、自分で思っている以上に声を張って、大げさかなというくらいオーバーにやりました」と発声に気を付けた。また「物を落とすシーンで『わっ』とか『うっ』と言うのもどういえばいいのか迷った」といい、「声優さんには向いてないと思う」と謙遜(けんそん)しながらも、「カナダに(留学で)行っていたときに前作はすごく宣伝していて私も見たので、まさか2作目にお仕事でかかわれると思いませんでした。カナダの友だちに自慢できるなと思いました」と初挑戦を楽しんだ。

 主題歌「Uh Uh」の歌詞はオファーを受けて自ら書き下ろした。「子供が見る映画だったので、子供たちが楽しく歌えるようにというのが第一に(頭に)ありました。自分のことを歌うというよりも、深い意味はなく、映画に合っていて楽しい歌になればいいなと思いました」といい、英語や「du du du」など不思議な言葉を自分で造語して、「曲調に合うような言葉を選んだので、あまり意味のない歌詞になりましたけど、子供たちに口ずさんでほしいなと思いました」という願いを込めた。

 1月に待望の歌手デビューを果たし、4月に発売した主題歌は早くも3枚目のシングルとなる。モデルでデビューし、女優も経験したが、「本当に今、音楽を頑張りたい。小さなときからあこがれていた世界で、CDを出させていただいているので、頑張って努力して、どんどん成長していきたい」と音楽方面に力を入れていきたいという。

 父・明石家さんまさんや母・大竹しのぶさんも「(両親とは)あまり仕事の話は相談したりしないんですけど、小さなころから音楽は大好きだったので、きっと音楽に携わる仕事をするんだろうなと思っていたと思います」と陰ながら応援してくれているようだ。IMALUさんは小学1、2年生のころにPUFFY(パフィー)にはまり、「小学校高学年のころから洋楽が好きになって、ヒップホップでもロックでも、ポップスでもなんでも聴きます。ロックが一番好きなので、バンドでライブとかができるようになりたい」と夢を語った。

 最後に映画の見どころを「前作よりもアクションシーンも増えていますし、私が担当したリプレイのように新しいキャラクターが出てきますので、ぜひチェックしてください。3部作の2作目ということで、面白いエンディングになっていますので、ラストも注目してほしいです」とアピールした。

 <プロフィル>

 1989年9月19日、東京都出身。父はお笑い芸人の明石家さんまさん、母は女優の大竹しのぶさん。カナダに留学後、09年、ファッション誌「Zipper」(祥伝社)6月号でモデルデビュー。同年10月にスタートしたドラマ「リアル・クローズ」(関西テレビ・フジテレビ系)に主演の香里奈さん演じる天野絹恵の妹・まゆ役で女優としてデビューした。10年1月、シングル「Mashed potato」で歌手デビュー。テレビ東京系「GO!FES TV」(毎週火曜深夜1時半)に番組サポーターとして出演中。また4月からTBS系「A−Studio」(毎週金曜午後11時)に笑福亭鶴瓶さんのアシスタントとして出演。4月29日公開の映画「アーサーと魔王マルタザールの逆襲」(リュック・ベッソン監督)の日本語吹き替え版のリプレイ役で声優デビューを果たし、3枚目のシングルで同映画の日本版主題歌「Uh Uh」も担当した。日本語吹き替え版は主人公アーサーの声を神木隆之介さん(16)、マルタザール役をGACKTさんが担当している。

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