話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、相手のうそをすべて見抜き、“嘘喰(うそぐ)い”の異名を取る天才ギャンブラーの活躍を描く迫稔雄さんの「嘘喰い」(集英社)です。「週刊ヤングジャンプ」編集部の小花進さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
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−−この作品の魅力は?
「智力(ちりょく)」を使う勝負としてのギャンブルと、その勝利を担保するアクションの両方が一つのマンガで楽しめることですね。勝利には「智力」と「暴力」の両方が不可欠だとしている点が、これまでのギャンブルマンガにない部分だと思います。主人公の斑目貘(通称嘘喰い)は圧倒的な「智力」を身につけていますが、体力はまったくないので、1人では完全なる勝利を得ることができません。日本の権力に根を張る賭博組織「賭郎」の首領を倒す「屋形越え」を果たすために、どうやって仲間を増やし、その力を借りることができるか、貘の戦い方に注目してほしいですね。
−−作品が生まれたきっかけは?
先生が持ち込み新人時代に描いた読み切りがすでに「嘘喰い」でした。微調整はしましたが、初稿の段階で基本的なアイデアは、ほとんど盛り込まれてました。(興味のある方はコミックスの12~15巻の巻末に掲載されてますので、ご覧ください)。それまでは持ち込みのときから格闘マンガを2本描いていたので、突然の路線変更でしたね。先生はもともと格闘技とギャンブルが好きだったので、「嘘喰い」という作品が出来上がるのは、当然の帰結だったのかもしれません。
−−作品を作るうえでうれしいこと、逆に大変なことは?
読者の反応を予想しつつ、裏切ったり裏切られたりすることが楽しくもあり、大変な部分でもあります。勝つためのトリックやどんでん返しを考える際は、「どこまで読者がついてきてくれるのか」という不安を抱えつつ、でも「ここまではついてきてくれる」と信じながら作品作りに取り組んでいます。あとは「智」と「暴」が入り乱れて成り立っている作品なので、どうしたら現実感を失わずに双方を成り立たせることができるかに気を配ることが多いです。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
毎週ギリギリで作っているので、先のことは不確定なことが多いですが、やがて嘘喰いは屋形越えをするための条件を整えることでしょう。そのとき立ちはだかるのは果たして誰なのか? 嘘喰いの本当の狙いとは? お屋形様に隠された真実とは? 一時たりとも目が離せない展開が続いていきます。最新17巻が18日に発売されましたのでどうぞよろしくお願いします。今後とも変わらぬご愛読をよろしくお願いします。
第4編集部 週刊ヤングジャンプ編集部 小花進
◇連載情報など
嘘喰い 迫稔雄 1~17巻 週刊ヤングジャンプ(毎週木曜発売)で連載中
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