1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、「LaLaDX」（白泉社）で連載、弱気で優しい貴族の少年と「とんでもない」女性の物語を描いた斎藤けんさんの「プレゼントは真珠」（420円）です。

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　ローベル男爵の一人息子・エドワードは、気弱で優しい世間知らずの少年で、女性慣れさせるために執事たちが連れてきた理想の女性に「真珠」と名付けて可愛がった。ところが彼女の無知に見える行動は全部演技で、正体は知勇兼備、伯爵家のスーパー令嬢だった。「真珠と結婚する」と宣言してしまったエドワードは、強烈な個性を持つ婚約者に振り回される……というストーリーだ。

　◇編集部からのメッセージ　LaLa編集部　武田栄里さん　「これも一つの愛の形！」

　好きだから泣かせてあげたい。怖いのに気になる。これも一つの愛の形！　斎藤さんの最新作は、そんな絶妙な主役2人の関係性が織りなすラブコメディーです。

　ヘタレな坊ちゃんのために使用人が用意したのは、人形のように愛らしい女の子・真珠。しかしその正体はドSな年上の才女!!　婚約を解消すべくさまざまな手を尽くすのですが……。

　坊ちゃんにはかわいそうですが、彼の奮闘ぶりがとにかく笑えます。一生懸命になればなるほど、思惑とは別の方へ行ってしまう……。そんな先の読めないストーリー展開に加え、キャラもとっても魅力的！　ビジュアルとの強烈なギャップを持つ真珠をはじめとして、笑顔で毒ある執事やサーカス団あがりのメイドなど個性派ぞろい。彼らは皆、坊ちゃんいじりのエキスパートで、テンポ良く容赦ない突っ込みを浴びせます。

　でも真珠をはじめとした彼らのドSぶりがただのひどい仕打ちでなく、極上の笑いになるのは愛があるから。「鬼獅子」なんて異名を持つ真珠も、愛する坊ちゃんの前では乙女な顔を見せることも。ドS後に不意打ちでやってくる、この可愛さは超必見！　意外に坊ちゃんが無自覚タラシだったりして、今後もこの2人の関係から目が離せません!!

　◇書店員の推薦文　徳島・南海ブックス　岡本美紀さん　「エドワードの成長も見どころ」

　「ケーキのような女の子」が理想というエドワードは男爵家の一人息子。「可愛いさからつい……」という感じで、たびたびだまされるほど純真な彼の将来を心配した周囲の人たちは、お見合い大作戦を決行する。エドワード以外は芝居をしていて、誰がどんな役割で、どこまでが芝居なのか、最後のオチの瞬間までわからない。だからわくわく感がずっと続きます。

　ヒロインは芸術や学業、馬術にも秀でている才色兼備な9歳年上の伯爵令嬢。「欲しいものは欲しがらなければ手に入りません」という彼女が欲しいのはエドワード。ドSでエドワードの泣き顔が大好きな彼女にどう立ち向かうのか。エドワードの成長も見どころです。