宝島社:「スッキリ美顔ローラー」大重版で累計160万部を突破 ヒットの理由とは

「スッキリ美顔ローラー」パッケージ
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「スッキリ美顔ローラー」パッケージ

 全国の書店やコンビニエンスストアで売り出され、人気を呼んでいる顔用小型マッサージ器「スッキリ美顔ローラー」について、宝島社は50万部の重版を10月1日に実施、更に11月にも50万部を重版することを28日明らかにした。10月1日で累計160万部を出荷することになるが、人気の勢いは衰えるところを知らない。ヒットの理由を探った。

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 「スッキリ美顔ローラー」は、純度99.999%のゲルマニウムボールを配したローラー。1日3分程度肌の上を転がすことで血行促進などのエステ効果があり、短時間で肌のケアができるとされている。7月3日に発売されると発売2日間で4万6000部を売り上げ、7月12日付のオリコン本ランキング書籍総合部門で5位にランクイン。発売2週目で同部門首位を獲得し、初版30万部が1週間で完売状態に。7月後半に30万部の重版、10月には50万部を重版するほどのヒット商品となっている。

 ヒットした最大の理由はこれまでの同種商品とは比較にならないくらいの低価格を実現したこと。美顔器はこれまで通信販売などで主に1万円以上の価格で売られているが、「スッキリ美顔ローラー」は解説書を含めて2980円。同社によると、部数を多く出すことで手ごろな価格設定ができたといい、高額商品というイメージを覆した。購買層は幅広く、10~80代の女性とあらゆる世代から支持され、プレゼント用など男性の購入者も多いという。

 もう一つの理由は出版流通を使ったこと。同社は「島しょも含め書店・コンビニエンスストアは全国約5万8000店舗と圧倒的な店舗数に加え、好立地な店が多く、客層が幅広いなど優れた流通網。既存の出版物の形態にとらわれずパッケージ化することで多くの人が求める魅力的な商品を販売できる」とその利点を語る。同社はこれまで、出版流通を使い、1700万部を発行したファッションブランドの付録付き「ブランドムック」や、音楽CD、DVDボックス、電子たばこなど書籍以外の商品をメーンにした「マルチメディア商品」を企画・刊行。100万部以上を売り上げた商品もあり、社会現象となっている。大胆な価格設定と出版流通で購入しやすくしたことがヒットにつながった。

 同社広報担当は、「普段書店に行く習慣のない方にも書店へ足を運んでいただき、書店でのお買い物を楽しんでもらえればと思っています」と話し、今後の商品展開としては、Cher、ツモリチサト、ヘッド・ポーターなど人気12ブランドの手帳(9月25、28日)、昨年11月に初版100万部を発行したブランドムック「イヴ・サンローラン」第2弾の発売(10月12日)を予定している。(毎日新聞デジタル)

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