注目映画紹介:「ゲキ×シネ 蛮幽鬼」上川隆也、堺雅人ら豪華キャストで“映画と演劇の融合”

「ゲキ×シネ 蛮幽鬼」の一場面。(C)2010 松竹/ヴィレッヂ
1 / 1
「ゲキ×シネ 蛮幽鬼」の一場面。(C)2010 松竹/ヴィレッヂ

 “映画と演劇の融合”というコンセプトで、03年からほぼ年2回の割合で上映されている「ゲキ×シネ」。劇団☆新感線による演劇をデジタルカメラで撮影し、それを劇場で上映することで、舞台では見落としがちな俳優たちの細かい表情や技巧などを間近に見ることができ、好評を博している新感覚のエンターテインメントだ。

あなたにオススメ

 今回は09年に上演された「蛮幽鬼」だ。親友殺しのぬれぎぬを着せられ、監獄島に幽閉された若者、伊達土門が、謎の男・サジの手を借りて脱獄し、自分をわなにはめた者たちへの復讐(ふくしゅう)計画を実行に移していくというアクション時代劇。

 アレキサンドル・デュマの「巌窟王」をもとに、劇団☆新感線の座付き作家・中島かずきさんが脚本を書き上げた。異国情緒が漂い、豪華な衣装をまとった役者たちの演技がきらびやかでダイナミックに展開していく。その一方で、復讐にのめり込むあまり、憎悪の念にとらわれて身動きがとれなくなる悲哀が表現され、人間ドラマとしても見応えがある。

 劇団☆新感線は、1公演で10万人を動員するという人気の劇団。そのネームバリューに加え、今回客演しているのは、伊達土門役の上川隆也さんや、サジ役の堺雅人さん、土門の元恋人・美古都役の稲森いずみさんという豪華なキャストで、さらに、大衆演劇「劇団朱雀」の2代目、早乙女太一さんが、美古都への忠誠を誓う剣の達人役で出演し、華麗な舞とともに、上川さんや堺さんと迫力ある殺陣シーンを披露している。

 公演のチケットが取れず見そびれたという人はもちろん、劇団☆新感線に興味はあるが舞台に行くにはちょっとためらうという人に、“入門編”としておすすめ。2日から新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開中。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

映画 最新記事