アニメやゲームなどのキャラクターを車体に描いた自動車「痛車」が1000台以上集結した「痛Gふぇすた」(主催・芸文社)が10日、東京・台場で開かれた。東京・秋葉原などではよく見かけるようになった「痛車」だが、最近の傾向とは……。(毎日新聞デジタル)
ウナギノボリ
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「痛車」のイベントは、全国の都市圏を中心に開かれるようになったが、大規模になるほど会場の確保が難しく、電車ではたどりつけない場所にあるのが普通。1000台超の大規模イベントで、気軽に見られるのはかなり珍しい。
見学の基本ポイントは、痛車に使われている作品とイラストを追うことだ。どのキャラを使って、どんなポーズを取らせて、どんなデザインをしているか。内装に気を配ることも当たり前なので遠慮せずに、中をのぞくとさらに楽しめる。
題材になりやすいのは、PCゲームとアニメ。定番は、音楽ソフトのキャラクター「初音ミク」や、ライトノベル「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」、マンガ「らき☆すた」、PCゲームの「リトルバスターズ」などだ。09年なら「けいおん!」や「とある科学の超電磁砲(レールガン)」、今年は「Angel Beats!」などのヒット作は台数が増えるので、人気のバロメーターにもなる。ただ、痛車だけあって、「ワンピース」や「ドラえもん」などのメジャー作品はほとんどなく、マニアックな作品が多いので、知らないキャラは思い切ってオーナーに質問してみよう。ちなみにこの秋放送開始のアニメでは、「俺の妹はこんなに可愛いわけがない」が目立っていた。
慣れてきたら、痛車のイラストだけでなく車体にあるメッセージにも気を配りたい。作品の人気せりふやパロディーが書かれているのが普通だが、当然ひねりが入る。ハイオクのガソリンを使うオーナーが、給油口に「ハイオクはあるかい?」と書いたり、ガラスに張った痛車のシールを保護するために、リアガラスに「窓ふくな 話はそれから聞いてやる」と書いて、ガソリンスタンドのスタッフにアピールするなど遊び心にあふれる痛車も多い。
メッセージで、キャラの名前の後に「○○絶対至上主義」「○○は俺の嫁」というのは、キャラへの愛情表現の一種。最近では、差別化を図るために、工夫を凝らす人もいて、「痛Gふぇすた」では車体の側面に「ゆのっち(『ひだまりスケッチ』のヒロイン)が可愛いすぎて生きていくのがつらい」というメッセージを入れた痛車が登場した。
ほかにも「この車は安全運転を心掛けている。先に行くが良い。人の子よ」といった自動車の追い越し許可を出すメッセージを描いたものや、外装は普通だが、ボンネットの中に見事なイラストを描いた“隠れ痛車”まで登場するなど、表現もどんどん深みを増しているようだ。
イベントで展示された車は、11月30日発売の「痛車グラフィックスVOL.9」(芸文社)の特別付録で紹介される予定。(毎日新聞デジタル)
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