注目映画紹介:「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」 男女10人のサバイバルは現代の縮図

映画の一場面。(C)2010「インシテミル」製作委員会
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映画の一場面。(C)2010「インシテミル」製作委員会

 破格の報酬に釣られ、とあるアルバイトに応募した10人の男女が、とんでもない実験に巻き込まれる心理サスペンス映画「インシテミル 7日間のデス・ゲーム」(中田秀夫監督)が16日に全国で公開される。人気作家・米澤穂信さんの小説を、藤原竜也さん、綾瀬はるかさんらホリプロに所属する豪華俳優陣で映画化した。「リング」などで知られるジャパニーズホラー界のトップクリエーターでハリウッドにも進出している中田監督がメガホンをとった。

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 フリーターの結城(藤原さん)は、元会社員の祥子(綾瀬さん)から、時給11万2000円という超破格のアルバイトを教えられる。そのアルバイトは、「暗鬼館」と名づけられた謎の施設で7日間を過ごし、人間がどのような行動をとるかを調べるという心理学の実験だった。集まったのは、結城と祥子のほかに建設会社の元社長(北大路欣也さん)やウェブデザイナー(石原さとみさん)ら合計で男女10人。2日目に銃殺による死者が出て、互いに疑心暗鬼となり、サバイバルゲームの様相を呈していく……。

 実験が開始されるや次々と殺されていく“被験者”たち。誰が犠牲となり、誰が勝ち残るのか。そして、そもそも実験者の真意とは? それらは本編を見ていただくとして、どうやら暗鬼館は、現代社会の縮図らしい。うわさによって疑心暗鬼になり、やがて抜き差しならない状況に追い込まれていく人間の愚かさ、大金を前に理性を失う人間の弱さ、それらがこの話には描かれている。

 その他、出演は阿部力さん、平山あやさん、大野拓朗さん、石井正則さん、武田真治さん、片平なぎささん。芸達者な10人による、だまし、だまされのサバイバルゲーム。「2時間ドラマの女王」の異名をとる片平さんのキャラクター設定にはニヤリとさせられる。16日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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