話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、ブッダとイエスが東京・立川でバカンスを楽しむ中村光さんの「聖☆おにいさん」(講談社)です。モーニング編集部の鯉渕庸彦(こいぶち・つねひこ)さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
−−この作品の魅力は?
ブッダとイエス、この日本中の、いや世界中の誰もが知っているキャラクターが日本の立川でバカンスを楽しむという設定の素晴らしさ。それだけで「どんな話なの?」と、気になりませんか? さらに、その2人が(こんないい方をして申し訳ありませんが)この上なく可愛らしいんです! 聖人なのにチマチマしていたり、天然だったり! 宗教的な知識がなくても楽しめること間違いありません。底意地の悪いキャラクターは出てきませんので、読んだ後ホンワカした気持ちになれるのも大きな魅力です。
−−作品が生まれたきっかけは?
一読していただければ分かると思いますが、作者の中村光さんの宗教的知識はハンパありません。以前から、宗教や歴史にまつわる物語を読むのが好きで、キャラクターとして(特にイエスを)温めていたそうです。モーニング編集部で増刊の「モーニング・ツー」誌を出すことになり、中村さんに執筆依頼をしたところ「イエスと一緒にバカンスを過ごすのは、やはり聖人のブッダしかいない」ということで「聖☆おにいさん」の連載になりました。
−−作品を担当するうえでうれしいこと、逆に大変なことは?
大変なことはとくにありません。しいて挙げれば中村さんがほかにも連載を抱えていてお忙しいことでしょうか。
うれしいことはたくさんあるんですが、これだけの人気作品に携われていることがまずうれしい。日本でいちばん最初に読めるわけですから。打ち合わせ段階から「次はこんな話にしませんか?」と、ストーリー作りに始めからかかわれるのもうれしいし。あと、個人的な話になりますが、中村さんは結構な音楽好きで、私が勧めたバンドを気に入ってくれるなんてこともあります。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
これからも「聖☆おにいさん」の世界観を壊さないようにしていきたい。読者に最も支持されている点が、そこだと思うので。ですから、それほど大きな事件なんかは起こらないかもしれないけれど、ゆるゆる、ダラダラとやっていきたいと思います。
講談社 モーニング編集部 鯉渕庸彦
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