谷口ジローさん:イタリアの「マンガの巨匠」賞受賞 同国マンガ文化に貢献

 マンガ家の谷口ジローさんが、イタリアの権威あるマンガ賞「マエストロ・デル・フメット(マンガの巨匠)賞」を受賞した。これまで谷口さんの作品には多くの賞が贈られているが、今回は個人に与えられたもので、イタリアのマンガ文化に対する功労賞の意味を持つという。谷口さんは「名誉ある賞をいただき、信じられないくらいの驚きを感じています」とコメントしている。

ウナギノボリ

 10月29日~11月1日、イタリア中部の地方都市ルッカで開かれた40年以上の歴史を持つマンガとゲームの祭典「ルッカ・コミック&ゲーム」展で発表された。「壮大な歴史物語から人間の内面の苦しい変遷まで、ダイナミックな冒険物語から穏やかで親しみ深い自叙伝までを手がけ、国際的に活躍する一人として認められた」というのが受賞理由。

 谷口さんは鳥取県出身で、1971年に「嗄(か)れた部屋」でデビュー。関川夏央さんとコンビを組んだ「事件屋稼業」がヒットし、その後も「犬を飼う」「『坊っちゃん』の時代」「神々の山嶺」「父の暦」などを手掛けた。作品は、欧州を中心にアメリカ、韓国などでも出版され、海外からの評価が高い。イタリアでは、25点を超える作品が翻訳出版されており、03年には同展で「遥かな町へ」がベスト・ロングストーリー賞、08年にはローマのアニメ・漫画イベント「ロミックス」で「晴れゆく空」がグランプリを受賞している。(毎日新聞デジタル)

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