TBSで3日から5夜連続で放送していたドラマ「99年の愛~JAPANESE AMERICANS~」を見た人は必見。いや、見なかった人も見てほしい。ドラマの中でアメリカ生まれのアメリカ育ちの日系人役だった草なぎ剛さんが、アメリカに忠誠を誓うため入隊したのが日系人部隊だった。その日系人部隊のドキュメンタリー映画「442日系部隊 アメリカ史上最強の陸軍」(すずきじゅんいち監督)が13日から全国で順次公開中だ。前作「東洋宮武が覗いた時代」では戦時下の日系人強制収容所を撮り続けた日系人カメラマンにスポットをあてたすずき監督が、再び米国日系人ものを手がけた。生存者の証言が聞ける貴重なフィルムだ。
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「442日系部隊」は、第二次世界大戦時にヨーロッパ戦線に送られて戦った。アメリカ史上最も多くの勲章を受け、終戦後にはトルーマン第33代アメリカ合衆国大統領から賛辞も送られたが、戦時中、彼らは「敵性国民」として差別を受けた。映画は当時のニュースフィルムをはさみ、部隊の戦場での足跡を追いながら、彼らが人種差別という偏見とも闘った歴史をじっくりと見つめさせる。
ナチスドイツからフランスの町を解放し、いまだに地元民に「ありがとう」と感謝されている元兵士や、イタリアのモンテ・カッシーニ修道院のあたりに日本兵の像が建っていることなど、前作と同様にこれまであまり知られてこなかった日系人の姿に映画を見ている間中ずっと驚きっぱなしだった。部隊の活躍ぶりがつづられていくのだが、この映画はただ兵士たちの戦いぶりを賛美するものではない。すずき監督は元兵士たちの真実の証言を撮ることに徹している。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)に苦しんだことを語る元兵士の表情、証言を横で聞いていた家族が事実を初めて知って驚く表情をとらえて、元兵士が日系人として生きてきた個人史をも引き出した。自宅だろうか。くつろいだ様子で話す元兵士の老人たち。さすが立派な体格の持ち主ばかりだが、その目に浮かぶ涙には、本人にしか分からない苦悩がにじんでいる。
映画は、彼ら日系人はアメリカ人ではあるが、根本には明治生まれの親から受け継いだ「大和魂」が流れていることにも触れている。アメリカ在住9年、日系人と交流してきたすずき監督だからこそ撮れた、素顔の兵士たちの姿がある。13日から新宿K’s Cinema(東京都新宿区)、横浜ニューテアトル(横浜市中区)ほか全国で順次公開。(キョーコ/毎日新聞デジタル)
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