漫才日本一を決める「M-1グランプリ」が今年を最後に打ち切られることが12日、吉本興業とABCから発表された。今年が最後の開催となったことに、第1回から挑戦を続け9回目の決勝進出を決めた「笑い飯」の哲夫さん(36)は「1位しかない。我々が1位になって、権力者になって、M-1を引き継ぎたい」と静かに語り、同じく10回目の挑戦となる「ナイツ」の塙宣之さん(32)も「笑い飯を倒せば優勝できると思う。頑張ります」と笑顔ながらも火花を散らした。
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吉本興業は、この日行われた準決勝後の会見で「10年目、今年のM-1をもちまして最後の大会とすることになりました。若い才能が多く世の中に生み出され、M-1の目的を達成できた。M-1グランプリを発展的に解消し、新たなイベントを行う」と発表。大会委員長を務める島田紳助さんからは「(同大会の開催で)ほんの少し、漫才に恩返しができた。最後のM-1でまた1組スターが生まれることを心より願っております」とメッセージが寄せられた。
突然の発表に決勝進出を決めたばかりの出場者も驚きの表情。「笑い飯」と「ナイツ」は元々、出場規定からもラストイヤーだったが、大会自体が最後となったことに優勝への思いはより一層強まった様子で、「笑い飯」の西田幸治さん(36)は「貴重なレギュラー番組が終わってしまう。(優勝して)違うレギュラー番組を獲得したい。そうしないとレギュラー番組が関西で1本しかないんで……」と背水の陣で臨む決意で、「最後は優勝で飾りたい」と意気込んだ。「ナイツ」の土屋伸之さん(32)も「最後のM-1で(この大会に)懸けてきた。決勝は出し切っていきます!」と気合を見せていた。
決勝には、ほかに初進出の「カナリア」「ジャルジャル」「スリムクラブ」「銀シャリ」「ピース」と、09年の決勝で5位となった「ハライチ」のほか、敗者復活戦の勝者1組が出場する。
「M−1グランプリ」は、結成10年以内のコンビであれば、プロ、アマ問わず参加できる漫才コンテストで、01年にスタートし、今年で10回目。優勝したグループには賞金1000万円が贈られる。今年は史上最多の4835組がエントリーし、両国国技館(東京都墨田区)で行われた準決勝には24組が出場。連覇を狙う「パンクブーブー」などが敗れ敗者復活に回る。決勝進出の最後の1枠をかけて行われる敗者復活戦は、ABC・テレビ朝日系で26日午後4時~5時25分、決勝戦の模様は同午後6時半に放送される。(毎日新聞デジタル)