話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、平凡な高校生が“ツンデレ”魔女の「使い魔」として異世界に召喚されてしまうコメディータッチのファンタジー「ゼロの使い魔」(ヤマグチノボル著、兎塚エイジ画)です。メディアファクトリーMF文庫J編集部の佐藤亜由美さんと瀧口晃平さんに作品の魅力を聞きました。
ウナギノボリ
「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
−−この作品の魅力は?
取りえもなく、むしろちょっとダメな少年だった才人が、魔法の才能ゼロの魔法使い・ルイズによって異世界に召喚され、使い魔にされてしまう、という物語です。ヒロインたちはみんな魅力的で、特にルイズはツンデレブームの先駆けじゃないでしょうか。才人は女の子にもてたり、ルイズとけんかしたりしながらきずなを築いていき、やがて世界の運命を左右するような事件に巻き込まれ、英雄として活躍します。爽快(そうかい)な活躍も楽しいですが、その動機が「大切な女の子のため」なので、恋愛ものとしても楽しめるつくりになっています。
−−作品が生まれたきっかけは?
最初は「グリーングリーン」という、ヤマグチさんがシナリオとして参加したゲームのノベライズをやっていただいて、そのときに「次はぜひオリジナルを」とお話ししました。たしか「なにかメイドものとかやりたいです」とおっしゃっていたと記憶しているのですが、プロットが出てきたらファンタジーになってました(笑い)。個人的にファンタジーが好きでしたし、当時のMF文庫Jにはない雰囲気だったので、ほぼそのまま書いていただきました。
−−作家さんとイラストレーターさんはどんな方でしょうか?
ヤマグチさんは、面白いです(笑い)。見聞きしたネタとか、ご自分が考えたことや、あるいは好みの女の子というものを作品に反映することに一切ためらいがないなあと思います。いつでも全力投球のイメージです。兎塚さんは、当時のサイトにファンタジーっぽいイラストがあって、それが決め手でした。何人かイラストレーターさんの候補をヤマグチさんにお見せしたときに、「この人がいいです」と。兎塚さんは締め切りを破らないという、神様のような方なので、頭があがりません。
−−編集者として、この作品にかかわって興奮すること、逆に大変なことについてそれぞれ教えてください。
毎回、どういう方向に作品が仕上がっていくのか、初稿を読むのは本当に楽しみですが、最近ずっと遅れがちなので、そこは胃が痛いです。何回かあとがきのネタになっていて、それが面白かったりするんですが(笑い)。担当としては「笑いごとじゃないよ!」と……。でも、20巻(2月発売)になっても新しいことを仕込もう!と思えるシリーズは本当に貴重だと思うので、なんとか頑張っていただこうと思います。
−−今後の展開、読者へ一言お願いします。
今後シリーズの決着をつける方向へと動いていきます。その中で、上でも書きましたが、たゆまず新しいことを提供していきたいと考えていますので、今まで読んでいなかった人は20巻という長さにめげず(笑い)、手にとっていただければと思います。ずっと読んでくださってる方、最近ちょっと手にとってないなという方もご期待ください! 20巻は2月発売です。同じ世界が舞台の「烈風の騎士姫」は本編を外れてちょっと違うテイストになっています。時代も違うので、キャラクターのつながりを考えて楽しんでいただければ。男装女子が素晴らしく可愛いです。
メディアファクトリー コミック/ライトノベル事業部 MF文庫J編集部 佐藤亜由美/瀧口晃平
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