2日より上演している、V6の井ノ原快彦さんが出演する舞台「芝浦ブラウザー」の記者発表会が4日、東京グローブ座(東京新宿区)で行われ、主演の井ノ原さんや、共演の芦名星さん、「TEAM NACKS」の音尾琢真さん、作・演出の上田誠さんが登場。井ノ原さんは東日本大震災に触れ、「(地震が起きて)一瞬芝居をやってる場合かなと思いましたが、芝居しかできないなと思いますし、(この舞台は)笑える舞台だと思うんですよ。お客様にも笑ってもらって、明日から頑張ってもらう。元気になってもらおうと思います」と語った。
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舞台は、「サマータイムマシン・ブルース」や「曲がれ!スプーン」(舞台名は「冬のユリゲラー」)など、映画化された人気舞台を手がけた劇団ヨーロッパ企画主宰の上田誠さんが作・演出を担当。井ノ原さんとは、08年に上演した「昭和島ウォーカー」以来、3年ぶりにタッグを組む。物語は、近未来、高層ビルが建ち、再開発が進んだ芝浦で、ビル群のすき間を縫うように下層で楽しく暮らす人々が残っていた。不動産会社「東京アーバンネット」で働くフジタ(井ノ原さん)とオノ(音尾さん)は、同社が開発した物件ブラウジングシステムを使い、その下層に住んでいる、管理人さん(芦名さん)らが生活する集合住宅の物件を閲覧していくのだが……というストーリー。「住まい」をテーマに、そこに住む人々の生活を描くことで、それぞれの関係性や人間性を浮き彫りにしていく群像コメディーに仕上がっている。
井ノ原さんは「いままでと違った舞台の感覚。こういう舞台をやった役者はいないと思う」といい、「芝居とはコミュニケーションをとって、目と目を合わせてやるものだと思っていたんですけど、(今回の舞台は)物件を見ながらずっと解説していくみたいなところがあって、どういうところでスイッチを入れるか悩んだ。最初は余裕だったけど、だんだん煮詰まってきて、最後の方はテンパり気味だった」と振り返った。また、今回の舞台の自分の部屋は、役者自身で考えると指示があったようで、井ノ原さんは、「(上田さんから)今回、役作りより部屋作りをがんばってくださいと言われました(笑い)」と裏話も語っていた。
上田さんは「初めての形のものを人前で見せるというのは、度胸がいる。稽古(けいこ)場では、(この舞台は)幕が上がってみないと分からないなと思ってた。いざ、上がってみると、役者さんたちも楽しく演じ、お客さんたちも楽しんでいただいて、(自分が作った舞台が好評で)よかったなという気持ちになった」と話した。
井ノ原さん、芦名さん、音尾さんのほか、市川しんぺーさん、伊達暁さん、石田剛太さん、山脇唯さんなどが出演。舞台は2~19日が東京グローブ座で、22~24日がシアター・ドラマシティ(大阪市北区)で上演する。(毎日新聞デジタル)