はじめの1巻:「アリョーシャ!」 女子高生暗殺者が普通の高校生を目指すサスペンスコメディー

近藤るるるさんのマンガ「アリョーシャ!」(少年画報社)1巻の表紙
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近藤るるるさんのマンガ「アリョーシャ!」(少年画報社)1巻の表紙

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、月刊誌「ヤングキングOURS(アワーズ)」(少年画報社)で連載、暗殺者として日本にやってきた女子高生を主人公にした近藤るるるさんのマンガ「アリョーシャ!」です。

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 暗殺者として育てられたアリョーシャは極秘任務を遂行するため、留学生として日本の高校にやってくるが、所属する軍の部隊が消滅し、日本にただ一人取り残されてしまう。「普通の高校生として生きろ」という“命令”に従って、新たにできた日本の友人たちと生活を始める……というサスペンスコメディー。

 ◇OURS編集部 野々口嘉孝さん 「近藤先生のダークな部分が出ている」

 今作品は、近藤先生の少年画報社で初のコミックスになります。最初、近藤先生から出て来たアイデアは、雑誌で掲載をするにはとても難しいジャンルの作品でした。表面上は「これはちょっと……」と困った顔をしながらも「OURS(アワーズ)という雑誌に挑戦して来ている!」と思って、個人的には大変うれしく思った記憶があります。そして改めてほかの題材を相談したところ出てきたのが、この「アリョーシャ!」です。

 近藤先生からの案で、新連載の予告や第1話の出だしなどは、今までの作品にあった明るい部分を極力排除し、この「アリョーシャ!」はダークな部分を描いていくぞ! という気持ちを前面に出した演出にしました。

 私と近藤先生は過去に「黒蘭」という作品でコンビを組ませていただいて以来ですので約10年ぶりのお仕事ということになります。最近は明るいコメディーなどを中心に描かれていましたが、やはり私と仕事すると「黒蘭」などと同じ、近藤先生のダークな部分が出てしまうのでしょうか(笑い)。アリョーシャというキャラの、表と裏の顔の面白さ、そして突拍子もない行動にぜひ今後も注目していただきたいです。

 ◇書店員の推薦文 ひょうたん書店西田本店 筒口征洋さん 「重くハードな展開だからこそ光る女の子らしさ」

 かわいいキャラクターを期待してページをめくっていたはずが、気づけば緊迫のサスペンス展開に息を飲むほどでした。マニアも納得がいく軍事要素や、アリョーシャのつらい過去、血なまぐさいアクションシーンは重たくてハードですが、この重さがあるからこそ、日本で友達ができて初めて見せる女の子らしい表情がよりいっそう光ってくるんです。彼女には早く普通の女の子になってもらいたいですが、暗殺者としての恐ろしくも美しい姿もまたすてきで、どっちもずっと見ていたくて困っちゃいます。

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