MD松尾の月間ヒット予測:8月 過去5年で最悪ペースに 期待は「モンハン3rd HD」

 「ヒット解析」でおなじみ、TSUTAYAで加盟店にゲームソフトの商品提案をしているマーチャンダイザー(MD)の松尾武人さんが、その経験と綿密な調査で、月間ランキングを大胆に予測する月1回の企画「MD松尾の月間ヒット予測」です。

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 10年8月は全体的に厳しい展開に終始しました。「モンハン日記 ぽかぽかアイルー村」(PSP、カプコン)が予想以上のヒットを記録し、「Another Century’s Episode:R」(PS3、バンダイナムコゲームス)、「戦国BASARA 3」(同、カプコン)なども検討しましたが、例年に比べると苦戦しましたね。

 今年の8月は昨年以上の苦戦が予想され、7月に続いて辛抱の日々が続きそう。売り上げでは過去5年で最悪ペースと予想。11位以下の定番タイトルの売り上げが7~8割に減少していることに加え、新作ラインアップのトータルでのパワーもやや弱い印象があります。また上位タイトルの単価が安い点も店舗の売り上げに響きそうです。

 トップは「モンスターハンターポータブル 3rd HD Ver.」(PS3、カプコン)と予想。25日発売のため、集計期間が1週間足らずしかありませんが、450万本を売り上げたPSPソフト「モンスターハンターポータブル 3rd」のPS3版とあって幅広いユーザーの興味を引くでしょう。また、ここ最近PS3が若年層にまで普及してきており、PSネットワークも再開して、オンラインでの協力プレーができる環境も整いました。しばらくPSP版を遊んでいなかったユーザーがPS3版で復帰することも予想できますね。

 前作がヒットした「モンハン日記 ぽかぽかアイルー村G」(PSP、カプコン)も良さそう。「3rd」との連動要素も明かされており、前作のファンを中心に安定した売り上げが見込めるでしょう。3位の「プロサッカークラブをつくろう7 EURO PLUS」(PSP、セガ)も期待作。約1年9カ月ぶりとなる待望のPSP版で、さまざまな部分が強化されています。遊びやすいシミュレーションなので、なでしこジャパンの快進撃も手伝って、操作の面で他のサッカーゲームを敬遠していた女性層の取り込みもねらえます。店頭での展開が売り上げを大きく左右することが想定され、シリーズ最高の売り上げも期待できそうです。「戦国無双3 Empires」(PS3、コーエーテクモゲームス)は、これまでの「Empires」シリーズよりもぐっとシミュレーション要素を強化しており、「信長の野望」のファンにもアピールできるでしょう。

 ◇11年8月のヒット予測

1位 モンスターハンターポータブル 3rd HD Ver.(PS3)

2位 モンハン日記 ぽかぽかアイルー村G(PSP)

3位 プロサッカークラブをつくろう7 EURO PLUS(PSP)

4位 あつめて!カービィー(DS)

5位 戦国無双3 Empires(PS3)

6位 機動戦士ガンダム 新ギレンの野望(PSP)

7位 スーパーポケモンスクランブル(3DS)

8位 実況パワフルプロ野球2011(PS3)

9位 真・三國無双6 Special(PSP)

10位 戦国 BASARA CHRONICLE HEROES(PSP)

 ◇参考資料 10年8月売り上げ結果(TSUTAYA調べ)

1位 モンハン日記 ぽかぽかアイルー村(PSP)

2位 Another Century’s Episode:R(PS3)

3位 戦国BASARA 3(PS3)

4位 Wii Party(Wii)

5位 テイルズ オブ ファンタジア X なりきりダンジョン(PSP)

6位 エースコンバットX 2 ジョイントアサルト(PSP)

7位 初音ミク −Project DIVA−2nd(PSP)

8位 実況パワフルプロ野球 2010(PSP)

9位 実況パワフルプロ野球 2010(PS3)

10位 ファイアーエムブレム 新・紋章の謎~光と影の英雄(DS)

 ◇プロフィル

 松尾武人(まつお・たけと) TSUTAYAゲームリサイクル企画グループ リーダー

 「GAME TSUTAYA」加盟約500店に新作ゲームの商品提案をするマーチャンダイザー。96年から家電量販店でゲームのバイヤーを担当。02年にTSUTAYA入社後も一貫してバイヤーの道を歩いてきた。ネオジオCDを2台購入したほどの格闘ゲーム好きだったが、現在は携帯版ドラクエなどで遊ぶ日々が続いている。

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