1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載、武闘派女子高生の恋と派手なバトルをハイテンションで描いた中山敦支さんのマンガ「ねじまきカギュー」です。
ウナギノボリ
解説:新たな“最高峰”を目指したガンプラ 45周年のこだわりとは
新人教師の葱沢鴨(ねぎさわ・かも)は“怪物系女子”に無条件で好かれてしまう女難体質の持ち主。学校に向かう途中、巨漢の不良少女たちに「彼氏になれ」などと絡まれていると、そこへ現れた一人の人物が螺旋巻(ねじまき)拳なる拳法を使って不良少女たちを難なく撃破。鉤生十兵衛(かぎゅう・じゅうべえ)と名乗ったその人物は鴨の幼なじみの女の子カギューちゃんで、鴨に恋をし、鴨を守るためやってきたのだった……という物語。
「ねじまきカギューの楽しみ方」は、まず主人公カギューの“漢(おとこ)らしいキリッとした表情からの乙女のような可愛らしいデレ”のギャップを楽しんでください。中国拳法の鍛錬を積んできたカギューは、見た目は真っすぐな強い“漢女(おとめ)”ですが、実は担任の鴨先生への大好きという気持ちを抑えきれない女の子らしい女の子です。その魅力的なギャップが中山先生の“超個性的ポップな絵柄”と合わさると読者の方々は不思議な快感を味わうこと間違いなしです。
次に、恋する“怪物系女子(≒ヤンデレ)”たちの“ド迫力バトル”を楽しんでください。恋という本能的感情は時に人を利己的に崇拝的に暴走させてしまうものです。一生懸命に好きになればなるほど愛が濃ければ濃いほど豹変(ひょうへん)していく乙女たちの純愛バトルをお楽しみください。1巻では、“レディース総長”、文学少女、学級委員長など個性的な美女たちが登場します。中山先生が描く“超ハイテンションバトル”は一見の価値ありです!!
最後に、出し惜しみなく見開き、“大ゴマ”を連発する“超ハイテンションマンガ表現”をお楽しみください。中山先生も作画中にたびたび気絶する程の気合で描いています!!
男気あふれる武闘派でありながら、鴨先生の前では一転して乙女でラブラブになってしまうカギューちゃん。とってもかわいい彼女ですが、このギャップによる愛らしさを引き立てているバイオレンスなアクション劇も実は読み応え満点なのです。絵柄はコミカルでポップに見えますが、敵キャラたちとの血しぶきあふれる暴力の世界は狂気感もあり迫力十分。そのすごみがあるからこそ、バトル展開の直後に純情乙女になっちゃうカギューちゃんが可愛くてたまらないんです。あの赤面している表情は反則すぎですよ。
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