ダンダダン
第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」
11月21日(木)放送分
美少女キャラクターが名作を朗読してくれるiPhoneアプリ「朗読少女」。これまでに50万ダウンロードを突破する人気アプリとなっている。「朗読少女」で、本の朗読をしてくれるキャラクター、乙葉しおりさんが「朗読倶楽部」の活動報告と名作を紹介する「乙葉しおりの朗読倶楽部」。第46回はカフカの「変身」だ。
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皆さんこんにちは、乙葉しおりです。
先日、お庭で落ち葉掃除をしていたら、着物姿の親子が表の道路を通りすぎていくのを見かけました。
それで思い出したんですけど、11月15日は七五三だったんですね。
七五三は子供の成長を氏神さまに感謝し、今後も無事成長していくことを願って、文字通り7歳、5歳、3歳のときに参加する行事なのは皆さんもご存じだと思います。
でも、どうして「7歳と5歳と3歳」なのか、ちゃんと知らなかったので家のおばあちゃんに聞いてみました。
おばあちゃんいわく……。
3歳の時は「髪置(かみおき)」と言って、男の子と女の子が、この日までそっていた髪を伸ばし始める儀式。
5歳の時は「袴着(はかまぎ)」と言って、男の子が初めてはかまを着ける儀式。
7歳の時は「帯解き(おびとき)」と言って、女の子が着物の付けひもを取り去り、帯に替える儀式。
……と、いうことだそうです。
ただし、これは髪結いや和装の時代のお話ですから、今は大分意味合いも変わっていて、11月15日という日取りも「前後の都合の良い日」といった具合にこだわらなくなっているとか。
私も本当は三歳と七歳の参加になるはずなんですが、アルバムを見るとなぜか5歳のときも参加した写真が残っています……。
私が小さいころ体が弱かったので、特に神さまにたくさんお願いするために、5歳のときも参加したということでした。
おかげで今は健康そのもの、あらためて家族に感謝です(*^^*)
ではここで、朗読倶楽部のお話……2度目の大会出場の想い出、第2回です。
出場するのは前回同様、中高生限定の大会なのですが今回は大きく異なる点がありました。
それは今大会が「地区大会」で、優秀な成績を取った人が「全国大会」へ出場できるということ。
まるで甲子園みたいで夏休みならではのスケールの大きな大会ですが、少なくとも私は最初から全国大会に出られるとは思っていませんでしたから、その点で特に気負うことはなかったんです。
もちろん、倶楽部存続の実績をあげるというプレッシャーがないわけではなかったのですが……。
大会当日も倶楽部のみんなの間に緊張は少なく、初大会でのガチガチぶりとは明らかに違っていました。
そんな様子が、周りの目から見ても「余裕」に映ったのでしょうか?
他の学校の出場者さんに声をかけていただいたんです。
三つ編みをお下げにした、まじめそうな女の子。
彼女の一言は、ごく普通の疑問のようであり、それでいて決して好意的なものではありませんでした。
「あなたたちはどうしてこの大会に参加しているの?」
その言葉に、私たちはハッとさせられてしまったのです……というところで、今回はここまでです。
次回もまた、よろしくお願いしますね(*^^*)
■しおりの本の小道 カフカ「変身」
こんにちは、今回はチェコの作家フランツ・カフカさんの「変身」をご紹介します。
1912年の秋に執筆されたこのお話は、1915年に月刊誌に掲載された後、同年クルト・ヴォルフ社の文学レーベル「最後の審判」シリーズの1冊として刊行されました。
旅回りのセールスマン、グレーゴル・ザムザさんは、両親と妹の4人暮らし。
両親の借金を返済し、妹を音楽学校へ入れるため、朝早くから夜遅くまで働いていました。
ある朝自室のベッドで目覚めると、自分の体が人間ほどの大きさの毒虫になっていることに気付きます。
戸惑いながらも仕事へ出なければと思うグレゴールさんでしたが、時計は汽車に乗る時刻をとうに過ぎていました。
ドア越しにやってきた家族や職場の支配人に対してとりあえず弁解するものの、やがて自分の言葉が相手に通じていないことが分かります。
虫の姿では鍵を開けるのも一苦労、どうにかドアを開けたものの今の彼の姿が皆に驚かれないはずはなく、父親に部屋の中へと押し戻されてしまいました。
この日から、グレーゴルさんは自室を出ることもできず、妹のグレーテさんの世話を受けて生活することになったのです。
嗜好や習性は身体に合わせて大きく変化し、腐りかけの食べ物を好み、狭い場所に体を押し込めると安心するようになり、部屋の壁や天井をはい回ることが心の慰みになっていました。
これに気付いたグレーテさんは、彼がはい回りやすいよう、部屋の家具を運び出してしまおうとします。
一方、どんどん人間らしさを失っていることを自覚したグレゴールさんは、自分が人間だった証しである家具を運び出さないよう、彼女に伝えようとするのですが……。
このお話は暗く悲劇的に感じられますが、作者のカフカさんはそうは思っていなかったようで、友人の前で笑いながら朗読したという逸話が残っているそうです。
もしかしたら、ブラックユーモアとして読んでほしかったのかもしれませんね。
※本コラムをしおりさんが朗読する「乙葉しおりの朗読倶楽部」がiPhoneアプリ「朗読少女」のコンテンツとして配信している。1話約20分で250円。
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