吉本興業は4日、大阪市内で創業100周年の新プロジェクト発表会を開催し、「なんばグランド花月(NGK)」(大阪市中央区)をリニューアルオープンするほか、動画配信サービスの開始、女性向けファッションフェスタ「SUPER GIRLS FESTA(最強美少女)」を台北市で開催することなどを発表した。
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1912年に大阪市で寄席「第二文芸館」の経営をスタートした同社は、創業100周年を記念して新スローガン「大阪おもろナーレ!」を発表。昨年、スタートしたお笑い芸人が1組ずつエリア担当社員とともに全国47都道府県に住み、地域に密着しながら活動をする「あなたの街に住みますプロジェクト」に続き、日本全国、アジア、世界に向けて新プロジェクトを展開する。発表会では、「吉本新喜劇」風のセットが設置され、藤井隆さん、未知やすえさん、内場勝則さんらが登場し、同社社員と一緒にコントを交えながら新プロジェクトを発表した。
同社は、ファッションフェスタ「東京ガールズコレクション」のチーフプロデューサーを務めた永谷亜矢子さんを迎え、4月に台北市で「SUPER GIRLS FESTA」を開催するなど国内外のイベントの企画・運営をスタート。アジアで活動するモデルのマネジメントや若い女性向けのビジネスを展開する企業をサポートするなど“ガールズマーケット”に参入する。
海外戦略として、12年秋に韓国俳優主演のテレビドラマの制作を開始するのに加え、中国でテレビやラジオ事業などを展開する「上海メディアグループ(SMG)」と提携し、日中共同ドラマを制作する。また、4月から国内とアジア各国でオーディションを開き、ミュージシャンや俳優、女優、声優、ダンサー、子役、脚本家などを発掘する。さらに、米シカゴでコメディアン向けスクールと劇場を運営する「セカンドシティ」と提携して、日本でコメディアン向けスクール「セカンドシティ吉本」を設立し、国内外で活躍する劇団の育成を目指す。
4月には動画配信サービスもスタート。地方局を含めたテレビ番組のオンデマンド配信に加え、映画や海外ドラマ、スポーツ、海外ドラマ、所属芸人の撮り下ろし映像や同社のライブラリーも閲覧できる。動画投稿機能や生配信にも対応する。
「NGK」は、約20億円かけて25年ぶりに改装。内装をかつての寄席をイメージした和風のエントランスにリニューアルし、地下1階と地上1階の一部に日本全国の物産展「よしもと47ご当地市場」を常設するほか、公演回数を増やす。公演には、お笑い芸人以外にも、ハリウッド俳優や歌手、スポーツ選手らがゲストとして登場予定。また、4月~13年3月には創業者の吉本泰三・せい夫妻が寄席経営をスタートしてから現代までの同社の歴史を「吉本百年物語」として舞台化して上演する。ほかにも、13年春には大阪で参加型イベント「YOSHIMOTO WONDER CAMP」を開催することも発表した。
同社の大崎洋社長は「10年、20年後ではない、3年後の吉本興業が生き残れるか、この1年は勝負の年だと思っています」と意気込みを語った。(毎日新聞デジタル)