俳優の小栗旬さんが11日、東京都内で開催された映画「キツツキと雨」(沖田修一監督)の初日舞台あいさつに登場した。着物姿の小栗さんは、映画監督を演じたことについて「なんか不思議でした。僕のカット(のせりふ)でついつい止まってしまう方がいて、『この人のカットでは止まらないでください』と助監督が言っていました」というエピソードを笑顔で紹介。劇中劇のゾンビと村人の戦うシーンでは、「なんでワンカットで撮ろうとしたんだろう……」と監督経験者ならではの突っ込みをして、沖田監督を慌てさせていた。
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映画は、小さな山村が舞台。木こりの克彦(役所広司さん)は、ひょんなことから山村にやってきたゾンビ映画の撮影隊を手伝うことになる。気の弱い新人監督の幸一(小栗さん)は、現場をまとめきれずパニック寸前だったが、克彦といつしか奇妙なコラボレーションを生み出していく……というストーリー。山崎努さん、伊武雅刀さん、平田満さん、高良健吾さん、古舘寛治さん、臼田あさ美さんらも出演し、「南極料理人」(09年公開)の沖田監督がメガホンをとる。主題歌は、シンガー・ソングライターで俳優の星野源さんの書き下ろし曲「フィルム」が採用されている。
舞台あいさつには小栗さんのほか役所さん、沖田監督が登場。沖田監督は「映画を撮っていると不思議な体験をたまにすることがあって、映画の神様っているんじゃないかと思った。『キツツキ~』のラストを撮っているときも本当に雨が降ってきた。みんなで一丸となって、映画を作っている」と撮影を振り返り、木こり役は初めてという役所さんは「チェーンソーは結構得意なんですよ、だから台本を見たときうれしかった。ゾンビのメークすると、もうなにも怖いものはない」と役を楽しんだようで「キツツキは小ぶりではありますが、記事は大きくしてください」とちゃめっ気たっぷりに報道陣にアピールした。
映画は「第24回東京国際映画祭」で審査員特別賞、第8回ドバイ国際映画祭で役所さんが最優秀男優賞、脚本賞、編集賞の3冠を獲得し、ステージではトロフィーが紹介された。役所さんは「国境を越えていろんな方が見てくださった。みんなでいただいたものですから、お祝いをしたいですね」とうれしそうに語り、沖田監督は「いろいろな地理地形にももっと詳しくならなきゃ。ドバイを地図で探したりしました。これを励みにもっと頑張ろうと思います」と笑顔で語っていた。(毎日新聞デジタル)
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