アニメ質問状:「妖狐×僕SS」 6種類のエンディング制作に真っ青

アニメ「妖狐×僕SS」の一シーン (C)藤原ここあ/スクウェアエニックス・「妖狐×僕SS」製作委員会・MBS
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アニメ「妖狐×僕SS」の一シーン (C)藤原ここあ/スクウェアエニックス・「妖狐×僕SS」製作委員会・MBS

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、異能力者たちが「SS(シークレットサービス)」に守られて住むマンションを舞台にしたラブコメディー「妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス)」です。デイヴィッドプロダクションの若松剛アニメーションプロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

 −−作品の概要と魅力は?

 「メゾン・ド・章樫(あやかし)」は、世間では高級セレブマンションなどと言われていますが、実際は妖怪の先祖返りの人間たちが集うマンションなのです。そんなマンションへ白鬼院凜々蝶(しらきいん・りりちよ)という1人の少女がやってきます。彼女は1人で生きていくという決意を胸にこのマンションにやってきたはずなのですが……。

 本作品の魅力……いろいろとありますがまずは藤原ここあ先生の描き出すキャラクターたちが個性豊かで魅力的です。そんな原作をキャラクターデザイナーである飯塚晴子さんが繊細なタッチでアニメ用に描き起こしています。更には初監督ながら自分の持ち味を遺憾なく発揮している津田尚克監督をはじめ、各方面のスタッフの力が結集して生まれた映像がこの作品の最大の魅力ではないでしょうか?

 −−アニメにするときに心がけたことは?

 原作者の藤原先生からは、「登場するキャラクターたちをとにかく大切にしてほしい」と強い要望をいただき本作品に臨んでおります。実際には脚本や各種設定、絵コンテなどさまざまな監修を、原作の連載を抱えて忙しい中、藤原先生がしてくださり、本作品を作る上で、大変貴重なアドバイスをたくさんいただきました。ですから、原作で描かれている魅力あるキャラクターたちをアニメでもイメージを損なうことがないようにスタッフ一同力を注いでおります。

 −−作品を作るうえでうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 作品を作る上でやはり一番の喜びは何と言っても映像が完成した瞬間ではないでしょうか? 原作を読み込むところから始まり何人ものスタッフや役者さんたちと作り上げてきた物が、映像として完成した瞬間はとてもうれしく感じます。思わず「時間は重みだ……」なんて過去を振り返ってしまいます。

 また本作品ではエンディング(ED)を6種類も作ることになり当時は顔が青くなりました。通常作品では1本ですから大変なことになるぞと……。でもスタッフの皆さんが頑張ってくださり、それぞれのキャラクターの特色が出たEDが完成したと思います。一部のEDではいろいろな意味で大変なことになっておりますが……ファンの皆様に喜んでもらえたらと思っております。

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 妖館(あやかしかん)の住人たちも一通り登場し、いよいよ物語は後半へ向けて動き出します。初めは人とのかかわり方を苦手としていた凜々蝶がマンションの住人たちや双熾(そうし)というSSのパートナーを得てどんどん成長してます。なかなか勇気が出せず一歩を踏み出せなかった凜々蝶ですがいつもいつも精いっぱい頑張っています。そんな彼女の心情の変化も段々と大きくなりクライマックスへ向けて進んでいきます。

 凜々蝶をはじめ、双熾やマンションの住人たちの物語を視聴者の皆様に最終話までお付き合いいただき、楽しんでもらえたらと思います。

 デイヴィッドプロダクション アニメーションプロデューサー 若松剛

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