注目映画紹介:「鍵泥棒のメソッド」堺・香川・広末が演じるキャラの微妙なズレが笑いを誘発

(C)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
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(C)2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会

 堺雅人さん、香川照之さん、広末涼子さんの絶妙なアンサンブルが楽しめる映画「鍵泥棒のメソッド」が15日から公開される。02年の「ぴあフィルムフェスティバル」で企画賞などを受賞し、その後、「運命じゃない人」(04年)や「アフタースクール」(08年)での一筋縄ではいかない物語で映画ファンをうならせた内田けんじ監督の最新作。今作も、ほどよくひねったストーリーにちょっぴり“トキメキ”をプラスし、すてきなエンターテインメント作に仕上げている。

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 銭湯で転んで頭を強打、記憶を失ったコンドウ(香川さん)。ちょうどそこに居合わせたのは売れない貧乏役者・桜井武史(堺さん)。とっさに桜井は、ロッカーの鍵を自分のとすり替えてコンドウになりすます。コンドウが伝説の殺し屋とは知らず……。一方、婚活中の女性編集長・水嶋香苗(広末さん)は、自分を桜井だと思い込んでいるコンドウと偶然知り合い、彼に好意を持つようになる。そのころ桜井は、コンドウのところに来た、大金のからんだ危ない仕事を引き受けてしまう……というストーリー。

 自分が35歳の劇団員と信じ込まされ、その生活に順応しようとするコンドウ役の香川さんをはじめ、きちょうめん過ぎるゆえにやることなすことが奇妙に映り、しかしそれがチャーミングな香苗役の広末さん、芝居がへたな役者のくせに、命が懸かった大芝居を必死でこなそうとする桜井役の堺さん、この3人が演じるキャラクターの、常識との微妙なズレ方がクスクス笑いを誘発する。ハラハラドキドキの展開も待ち受けており、最後のオチには思わずニンマリさせられた。物理的に派手な仕掛けはないけれど、知能指数的には十分ゴージャス。映画ファンにはたまらない作品だろう。15日よりシネクイント(東京都渋谷区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

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