中越典子:女優の仕事で「自分の可能性が開けた」 BeeTV「悪の教典−序章−」に出演

ケータイドラマ「悪の教典−序章−」で一人二役を演じた中越典子さん
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ケータイドラマ「悪の教典−序章−」で一人二役を演じた中越典子さん

 女優の中越典子さんが、ヒット中の映画「悪の教典」(三池崇史監督)の前日譚(たん)となるケータイドラマ「悪の教典−序章−」に出演している。「悪の教典」は、高校内で生徒からも同僚教師からも絶大な人気を誇る主人公の英語教師、蓮実聖司(伊藤英明さん)が実は他者への共感能力を全く持ち合わせていないサイコパス(反社会性人格障害)で、邪魔になった人間を次々に殺していく……という衝撃的な内容だ。「序章」で中越さんが演じるスクールカウンセラーの水落聡子は、蓮実の本性を知らずに恋心を抱き、その毒牙にかかって不幸な運命をたどる。同作で中越さんは物理教師の釣井(吹越満さん)のはすっぱな妻・景子という全く異なる2役を演じている。そんな中越さんに今作の役作りや女優の仕事に対する思いを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 中越さんは、今回演じた新任カウンセラーの聡子について「ちょっといいお家で育ち、何の不自由なく育ってきて、人との交流がそんなに深くできないし、自分をさらけ出せる相手がそんなに多くはなく、蓮実先生に少し優しくされるとほだされてしまうところもあって、“うぶ”だなと。簡単に人を信じてしまって、嫌な縁、出会いたくない縁を引き寄せてしまった。不運な人だなと台本を読んで、そして演じて感じた」と分析。

 演じるにあたっては「釣井先生(吹越さん)が見るからに怪しいじゃないですか。瞬間的に変わる顔が怖いし、すれ違ったときに声を掛けられるだけでもちょっと無気味……。そういう釣井先生からもらう負のパワーみたいなものが(演技に影響が)あったような気がします」と、現場の雰囲気を感じながら精神的に追い込まれていく感じを出していった。

 蓮実への感情を表すシーンは「2人の関係性が崩れていくのは、すべて(蓮実が記録している生徒の詳細なデータという)パソコンの画面を見ながらだったので、そこは監督とお話しながら、どの程度、聡子に疑惑と恐怖の気持ちが迫ってきて、追い込まれていくのか、せりふももう一度練り直して」現場で監督らと作り上げていった。

 蓮実を演じる伊藤さんについては「(今回の役は)めちゃくちゃ怖い。『海猿』と全然違う……。『海猿』では『正義』とか『青春』みたいな感じですけれども、そのイメージで『悪の教典』を見た人はびっくりでしょうね」と印象を語る。

 もう一つの役、釣井先生の妻・景子は聡子とは全く異なるはすっぱな女性だ。「同じく私が演じるんだけれども、2人のギャップがすごかったので、(聡子とは)全然違う人に見せたいねって(スタッフとも話して)。これまでと全く違うタイプの女性を演じる方が楽しいし、やりがいがありますね。ワンシーンだけの登場だったので、もうちょっと景子さんをやりたかったです」と実感を込める。

 上映中の映画は物議を醸しつつヒットしている。「『序章』では蓮実の怖さがそんなに分からない。ただ映画を見て、もう一度『序章』を見たら分かるんですよ。だから(前日譚だけれども)逆の順序で見てもいいと思うんです。映画を先に見て、『序章』を見ても面白いんです。繊細な仕掛けもあるし、(映画への)伏線もある。ただ『序章』を見ていた方が映画が絶対に面白くなる思います」とアピールした。

 中越さんにとって女優の仕事とは? 「私という命を父と母が生み出してくれて、それを生かせるなと思っています。女優になって時間がたってやっと分かったんですけど、すごくこの仕事によって自分が生かされているというか。人と出会って、つながりができて、新たなものが生まれていき、新たな自分を発見できて、自分に飽きないでいられる。女優という仕事を選んだことで、自分の可能性を、少しずつですけど開くことができている感じがします」とやりがいを感じているようだ。

 次回は休みの日の過ごし方や理想とする未来像について聞く。

 <プロフィル>

 なかごし・のりこ 1979年12月31日生まれ、佐賀県出身。ファッション誌「ViVi」のモデルとして活躍後、99年にドラマ「天国のKiss」(テレビ朝日系)で女優デビュー。00~02年には情報バラエティー番組「王様のブランチ」(TBS系)に出演。03年に出演したNHK連続テレビ小説「こころ」で東京・浅草のうなぎ屋の娘役で主演し、ブレークした。04年にはフジテレビの月9ドラマ「プライド」に出演。05年のNHK大河ドラマ「義経」では建礼門院徳子役で出演した。NHKのバラエティー番組「サラリーマンNEO」にも06年からレギュラー出演している。おもな映画出演作に「ストロベリーショートケイクス」(06年)や「グミ・チョコレート・パイン」(07年)、「ドロップ」(09年)、「孤高のメス」(10年)、「岳」(11年)などがある。「悪の教典−序章−」は携帯電話専用放送局「BeeTV」とドコモのスマートフォン向け動画配信サービス「dマーケット VIDEOストア powered by BeeTV」で配信中。DVDでも発売中。3990円。

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