劇場版アニメ「おおかみこどもの雨と雪」で「第67回毎日映画コンクール」のアニメーション映画賞を受賞した細田守監督が7日、川崎市川崎区のシネコン「チネチッタ」で開かれた授賞式に、同じく大藤信郎賞を受賞した大友克洋監督とともに登場。細田監督は「大友監督とここに立たせていただくこと自体がすごく光栄。常に緊張が続いております……」と心境を語ったが、作品の話になると「今回の(大友監督の受賞作の)『火要鎮(ひのようじん)』は、映像がすごい!」と熱心に語り始めた。
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公開準備中の「火要鎮」は、江戸時代の大火事を背景に、引かれ合う2人の男女を軸に描かれた短編アニメ。作品を見た細田監督は「今までアニメーションを作っている人たちが、やりたくてもやれなかったことをやっている。着物の模様が人物の動きに追尾されて動くんです!」と最新技術を興奮しながら説明。「大友監督によって、アニメーション界長年の夢が実現しているんです」と報道陣にアピールすると、大本監督は「いやいや、君は自分の話をした方がいいよ……」としきりに照れていた。
一方、細田監督の作品について、大友監督は「アニメーションの世界がだんだん新しくなっているなという感じ。アニメってスポンサーの関係もあって、なかなか自分の作品として、個性を持って作るのが難しいところがある」と細田監督の姿勢に感心し、「技術的にも進歩していますが、この人のような若いアニメーション作家が、次のアニメーション界を引っ張っていく」と語って、細田監督を恐縮させていた。
「おおかみこどもの雨と雪」は、細田監督が新たに設立した「スタジオ地図」が製作したオリジナルの劇場版アニメ。主人公・花と“おおかみおとこ”との出会いから恋愛、結婚、出産、子育て、“おおかみこども”の雨と雪の成長と自立までの13年間を描いている。花の声を女優の宮崎あおいさん、花と子どもたちを優しく見守る“おおかみおとこ”の声を俳優の大沢たかおさんが担当している。(毎日新聞デジタル)
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