俳優の渡辺謙さんが8日、東京・渋谷のパルコ劇場で行われた三谷幸喜さんの最新舞台「ホロヴィッツとの対話」の公開げいこに登場。12年ぶりに舞台出演する渡辺さんは「劇場に入った初日、異常興奮しまして。早くにいってくたびれて『気をつけよう』と思いました」と笑いながら久しぶりの舞台への高揚感を語り、「この舞台は、共演者と非常に激しいビートを刻んで2時間で完結する体力が必要。これから50ステージあるので、みんなでタッグを組んで前に攻めていきたい」と意気込んでいた。
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一方、脚本と演出を担当している三谷さんは、渡辺さんについて「こんなにがっちり仕事をするのは初めて。けいこから見てきて、なんてせっかちな人だろうって。だいたい走ってますからね」と意外な一面を暴露。芝居に対しては「すごく細かくて。アイデアもいっぱい出してくれる。目が合うと意見をいわれるので、なるべく目を合わさないようにしていました」と冗談めかして語りつつ、「こういうタイプの俳優さんを知らなかったので、僕もうれしいし、刺激を受けています」と絶賛していた。
「ホロヴィッツとの対話」は、「コンフィダント・絆」「国民の映画」に続いて、三谷さんが海外芸術家を描くシリーズの最新作。調律師として20世紀のピアノの巨匠たちの演奏を支え続けたフランツ・モアと、彼が支えたピアニストの巨匠の一人、ウラディミール・ホロヴィッツとの、ある一夜の出来事をつづる物語。主人公のモアは渡辺さん、ホロヴィッツは段田安則さん、モアの妻・エリザベスは和久井映見さん、ホロヴィッツの妻・ワンダは高泉淳子さんが演じる。
エリザベス役の和久井さんは芸歴約25年で今回が初めての舞台のため「今日は朝から呼吸の仕方を忘れそう」というほどの緊張ぶりで、三谷さんからも公開げいこで「手がものすごく震えていた。触っているソファが揺れていた」と明かされる一幕も。しかし、三谷さんは舞台での和久井さんを「たぶん、みなさんがイメージしている彼女とは違う新しい面が見られると思う」と語り、「僕は彼女のそういうところに気づいていたんですが、早く引き出してみんなに見せたいっていう思いがあった。“ニュー和久井”をたっぷりご覧いただきたい」と太鼓判を押していた。
舞台は、9日~3月10日に同所で上演。その後、大阪・京橋のシアターBRAVA!で3月13~31日に上演される。(毎日新聞デジタル)
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