1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、女性向けマンガ雑誌「デザート」(講談社)で連載、「思い出のカケラ」を探す女子高校生を描いたPEACH−PITのマンガ「金魚坂上ル(きんぎょざかのぼる)」です。
ウナギノボリ
「光る君へ」より昔! 最も古い時代の大河ドラマは? 1976年「風と雲と虹と」のあらすじ
どこか懐かしい、坂ばかりの町・深郷町に引っ越してきた女子高校生・花小野にしきは「すくい屋」と称して人助けを始めた。にしきは人助けが終わると幼なじみの蒼馬に、千代紙で鶴を折ってみせ、「これが私を作っていく大事なカケラになる」と説明する。ある日、神社で金魚すくいの金魚を手にした少女を目撃したにしきは、思わず「……きつね……」と口にする。しかし、少女はあっという間に姿を消してしまった。翌日、小学生の妹・朱(あかい)の面倒を見てほしいという遠野紺(こん)の依頼に、にしきが「葛葉荘」を訪れると、そこにはそのときの少女が待っていた。
「どこまでもやさしい物語を描いてみたい」というPEACH−PITさんの言葉から、すべては始まりました。実際にある町や坂道を歩いて感じて物語を構築していくのは、「ローゼンメイデン」などファンタジックな作品が多いお二人にとっても初めての試みだそうで、毎回の取材を楽しんでいらっしゃいます。すっかり金魚にハマってしまい、現在、飼育中! 知識は本当にすごいんですよ。
人は誰しもたくさんの思い出のカケラから現在の自分が成り立っているものですが、この物語の主人公・にしきは、ある事情から、自分の大切なカケラを探して集めている少女です。彼女が失くしたもの、そして永遠に失くさないものは何なのか……? そのヒミツの鍵を握るのは、心優しい幼なじみの蒼馬とあやかしの世界に誘う紺という二人の男性。特に「きつねの化身?」と思わせる紺はリア充的恋愛ものが多い「デザート」では珍しいキャラなのですが、現実と幻の間にいるような、まさに“まれびと”の妖しい大人の色っぽさで強烈に読者を引きつけています。
初夏発売予定の2巻ではさらに、にしきのヒミツが明らかに……!“きつねの男の子”とはいったい誰だったのか!?担当の私がいちばんソワソワしています。
下町で暮らす女の子のハートフルストーリー?と読み始めたのですが、それだけに止まらないミステリアスな雰囲気。にしきの世界にキラキラと射し込む光と、影を落とす部分が見え隠れし、なんとも切ない。にしきの中の小さなカケラたちがつながり、ずっと笑顔だったにしきがこぼした涙がとても印象的でした。にしきを見守る蒼馬やおばあちゃんが知る真実、美しい坂の名前を「きつねの窓」から風景にして見せてくれた朱、自らを客人だという紺も謎めいていて、その不思議さにすっかり虜。伏線がたくさんあり1回読んだだけでは見落としているかも。何度も読み返して続きを待ちましょう!
ミスマガジン2023の審査員特別賞に選ばれた吉井しえるさんが自身のX(ツイッター)で、マンガ誌「ヤングマガジン」(講談社)のウェブサイト「ヤンマガWeb」のコーナー「ミスマガのア…
吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんの人気マンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の新作テレビアニメ「柱稽古編」が、5月12日深夜1時からWOWOWオンデマンドで配信されることが分かった…
「りぼん」(集英社)で連載された佐和田米さんのマンガが原作のテレビアニメ「アクロトリップ」が10月から放送されることが分かった。主人公・伊達地図子が悪の道に足を踏み入れるきっかけ…
人気コスプレーヤーのえなこさんが、4月25日発売のマンガ誌「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)21・22合併号の表紙に登場した。
九井諒子さんのグルメファンタジーマンガが原作のテレビアニメ「ダンジョン飯」の第17話「ハーピー/キメラ」が、4月25日からTOKYO MXほかで放送される。