はじめの1巻:「七つの大罪」 鈴木央の冒険ファンタジー こだわりのキャラクターが魅力

鈴木央さんのマンガ「七つの大罪」(講談社)1巻の表紙
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鈴木央さんのマンガ「七つの大罪」(講談社)1巻の表紙

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は、「週刊少年マガジン」(講談社)で連載、7人の大罪人と王国の聖騎士の戦いを描いた鈴木央(なかば)さんの冒険ファンタジー「七つの大罪」です。

ウナギノボリ

 酒はうまいが料理はまずい丘の上にある酒場「豚の帽子亭」。店主の少年メリオダスはしゃべる豚・ホークと生活を共にしている。客の話題は、最近出没するさびついた鎧(よろい)姿の“ユーレイ騎士”。10年前に王国転覆をはかったとされる7人の大罪人「七つの大罪」の幽霊ではないか、などと軽口をたたいているところへ、その“ユーレイ騎士”がやってくる……。

 ◇編集部からのメッセージ 週刊少年マガジン編集部 土屋萌さん「注目はこだわりつくされたキャラクター」

 デビュー作は西洋ファンタジー。それから約20年。週刊少年誌4誌すべてで作品連載を達成した鈴木央先生が、これまでに培った実力をさく裂させ、満を持して挑む原点回帰にして念願の超本格ファンタジー冒険譚(たん)が登場です! お陰様で大変な反響をいただき、第1巻は発売初日の即日重版が決定しました!

 央先生はアシスタントさんを雇わず、ベタなどの簡単な仕上げだけを奥様が手伝われながら週刊連載をこなしておられます。こちらの心配も何のその、「マンガを描いてお酒を飲めば疲れなんて吹っ飛びますよ」と笑顔で原稿と格闘する先生の“マンガ愛”には脱帽。そして、今夜の打ち合わせも居酒屋さんですね。昨日も飲んだのに、酒豪なところは主人公のメリオダスそっくりです。

 今作で特に注目していただきたいのは、こだわりつくされた多彩なキャラクターたちでしょうか。央キャラには、シリアスシーンにもコメディーシーンにも愛嬌(あいきょう)があります。コマの隅での会話や何気ない仕草にまで、ぜひ注目してお読みになってみてください。「キャラがドンドン動いちゃうので、自分でも全然先が読めないですよ」とは央先生の弁。私も、毎週原稿を受け取って思うことは読者の皆さまと同じ。次はどうなるの? 早く続きが読みたいなあ。

 ◇書店員の推薦文 南海ブックス 岡本美紀さん「楽しみな謎がいっぱい」

 おしゃべりする小豚ホークは、口が悪くてお調子者。エリザベスは、ホークとメリオダスの悪ふざけにもまじめに反応してしまう純真なお嬢様。テンポのいい笑いが続いたままシリアスな展開に切り替わるので、見た目は子供でもメリオダスのすごみを感じる。

 バーニャの村では、離れた場所にいる聖騎士の攻撃から村を守るが、何が起こったのかすら周りの人たちには気づかせない。

 仲間が増えるたびに面白さのテンポが増していく。過去に何があったのか、聖騎士たちの目的がなんなのか、楽しみな謎がいっぱいあるマンガです。

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