12年に日本からの事業撤退を発表した米のソーシャルゲーム会社「ジンガ」の日本法人「ジンガジャパン」の元社長・松原健二さんが、事業撤退の内幕を明かした。15日に開かれたコンテンツ研究家・黒川文雄さん主催の勉強会「黒川塾」に登場した松原さんは、「日本での事業が波に乗りかけていた最中の撤退」「本当に残念だった」と繰り返しながら、ジンガが世界各地でシェアを追い求めすぎて収益が厳しくなり、一気に反動が来たとの見方を示した。
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ジンガジャパンは10年に設立され、独自のソフト開発も行っていた。しかし12年12月にジンガは日本からの撤退を発表。そしてジンガは世界各地でスタジオを閉鎖するリストラに踏み切り、経済誌などでも大きく取り上げられた。
松原さんは「日本(法人)は良い調子だったので、まさか(撤退の話が)来るとは思わなかった」と話しながらも、「日本の企業は足場を固めようと時間をかけるが、ジンガは最初から世界で展開することを考えていた」と急成長のカギにも触れた。また「日本は特殊なマーケット(市場)。(ソーシャルゲームで)クジを引くというシステムは米国では受けないから、ガチャが日本で流行しているのかを(米国の本社に)説明するのが大変だった」と話していた。一方で、ジンガジャパンが制作したソーシャルゲーム「あやかし陰陽録」がいまだにアジアを中心に人気を博しており「誇らしい気持ちもある」と複雑な胸の内を明かしていた。
15日の勉強会には、テレビゲーム好きで知られるお笑い芸人「アメリカザリガニ」の平井善之さん、対戦ゲーム「eスポーツ」の普及活動をしている日本eスポーツエージェンシー(東京都渋谷区)の筧誠一郎さん、ゲームのバランス調整などを手掛ける猿楽庁(東京都渋谷区)の橋本徹さんが登場。「ゲーム業界とは何か」をテーマに、オンラインゲームやソーシャルゲーム、パッケージゲームの現状について意見を交わした。筧さんは欧米などでeスポーツが人気を博しており、プロゲーマーが数千万円の賞金を得たり、国際サッカー連盟(FIFA)の授賞式で世界的プロゲーマーがサッカー選手と同様に表彰されている事例を紹介し、参加者を驚かせていた。(毎日新聞デジタル)
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