ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
セレクトショップ「BEAMS(ビームス)」のマンガやアニメをテーマとしたTシャツブランド「マンガート ビームスT」が好調だ。ファッション業界とマンガやアニメは縁遠い存在のようだが、08年のスタートから売り上げは5年で約1.5倍に増加し、東京・代官山にある専門店「マンガート ビームスT 代官山」には10~30代のファッションに敏感な層を中心にファンが押し寄せているなど成功を収めている。異例のコラボレーションの成功の秘密を探った。(毎日新聞デジタル)
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マンガートのメインターゲットは10~30代で、ファッション性を重視したデザインが特徴だ。マンガやアニメのTシャツは、例えば「ドラゴンボール」の主人公・孫悟空が着ている道着を再現したものなどコスプレ色が強いアイテムや、キャラクターや作品のロゴをプリントしたものがメインだが、マンガートは「自然に着られるもの」をコンセプトとしている。例えば、アニメ「這いよれ! ニャル子さん」のTシャツは、主題歌に登場して人気となった「うー!にゃー!」というフレーズをブランドロゴ風の英字表記「WOO!Nyar!」としてプリントするなど、ファッション性が高く、一見作品とは無関係だが、ファンがニヤリとするようなデザインを採用している。
マンガートが誕生したのは2008年だが、ビームスがマンガやアニメのTシャツの販売をスタートしたのは02年にさかのぼる。当初は「新世紀エヴァンゲリオン」「機動戦士ガンダム」「ジョジョの奇妙な冒険」「ウルトラマン」などをモチーフとしたTシャツを販売。異例のコラボレーションが話題となり、売り切れる商品が続出したという。
“異例のコラボレーション”と表現するのは、ファションとアニメやマンガは、ファンの属性が異なるように見えるからだ。しかし、マンガートのディレクターを務める久芳俊夫さんは「ゼロ年代(00年)以降、ファッションに加え、アニメやマンガも好きという層が増えているという認識があった。例えば、10代のモデルの男の子が『けいおん!』が好き……と話していたり、若い人はカルチャーをフラットに捉えるようになっていた。ファッションの表現が変わる中、ロックTシャツと同じように着ていただけると考えた」と時勢を読み、常識を覆した。
08年にはマンガートをスタートさせ、代官山に専門店「マンガート ビームスT 代官山」をオープンした。マンガ専門店やアニメグッズ専門店が軒を連ねる秋葉原や中野ではなく、“オシャレな街”に出店したことについて、久芳さんは「アニメイトやまんだらけのような専門店は競合ではなく、共存するもの」と説明。あくまでもファッションに敏感な層にブランドをPRするためのようだ。
ファッション業界で、アニメやマンガをテーマとしたTシャツを販売しているのはマンガートだけではない。有名なところでは、ユニクロもマンガートと同様に「ONE PIECE」「ドラゴンボール」などの人気作とコラボレートしている。しかし、ユニクロのTシャツは1000円以下のアイテムがあるなど安価なのに対し、マンガートの中心価格帯は5000円とターゲットが異なることは明白で、久芳さんも「土俵が違う。加工してエイジングしたり、日本人が着たときにシルエットがキレイに見えるようにするなどクオリティーで差別化している」と話す。
ほかにも、20~30代女性に人気のファッションブランド「earth music & ecology(アースミュージック&エコロジー)」が人気キャラクター「初音ミク」のTシャツを販売するなどの動きもあり、久芳さんは「ファッションの表現が変わっている。今後、さらにコラボレーションが増えていくだろう」と分析する。
マンガやアニメ市場は固定ファンが多く、不況に強いとされていることから、ファッション業界が参入するケースはさらに増えていくことが考えられる。一方で、目の肥えたファンの心をつかむのは“門外漢”には難しいともいわれている。マンガートが成功しているのは、久芳さんが「スタッフが理解した作品を扱っているから」と説明するように、ファッション性を重視しつつファンの目線に立った戦略をとってきたからだ。今後もマンガートから新たな“異例のコラボレーション”が生まれてくるかが注目される。
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