注目映画紹介:「華麗なるギャツビー」 レッドフォード版のファンも納得のディカプリオの演技

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 レオナルド・ディカプリオさんの最新作「華麗なるギャツビー」が14日から全国公開された。原作は、米文学界を代表する作家F・スコット・フィッツジェラルドの小説。かつてロバート・レッドフォードさん主演で映画化されたこともある小説を、「ロミオ+ジュリエット」(96年)や「ムーラン・ルージュ」(01年)などで知られるバズ・ラーマン監督が映画化した。

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 1920年代のニューヨーク。宮殿のような屋敷で、毎夜豪華なパーティーを開く男、ジェイ・ギャツビー(ディカプリオさん)。人々がこぞってパーティーに押しかけるが、彼の素顔を知る者はいない。あるとき、ギャツビーから招待状を受け取った隣家に住むニック・キャラウェイは、意気揚々と出かけて行き、初めてギャツビーと顔を合わせる……という展開。

 物語は、このニック・キャラウェイという、のちにギャツビーの理解者となる人物が、回想録を執筆するという形で進んでいく。演じるのは、「スパイダーマン」シリーズのトビー・マグワイアさん。ほかに、ギャツビーと禁断の恋に落ちる人妻デイジー役で、「17歳の肖像」(09年)や「ドライヴ」(11年)のキャリー・マリガンさんが出演している。

 ギャツビーは一体何者で、なぜこの街にやって来たのか。そうした彼の正体と目的を探るのが今作の肝であり、彼の生い立ちが明らかになるにつれ、その純粋さ、あるいは奇人ぶりが浮き彫りになっていく。演じるディカプリオさんがいい味を出し好演。実のところ、「レッドフォード版」のファンとしては、映画を見るまではギャツビー役にディカプリオさんはなんとなくそぐわなかった。ところが、なかなか姿を見せなかったギャツビーがついに現れ、ニックいわく「極上の笑顔」を向けられると、レッドフォードさんとはまた別のギャツビーがそこにおり、ディカプリオさんの演技力の高さを改めて痛感させられた。また、ゴージャスな演出はラーマン監督の十八番(おはこ)で、今回もたっぷりと味わえる。14日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開中。3D同時公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

 <プロフィル>

 りん・たいこ=教育雑誌の編集、編集プロダクションをへてフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。新歌舞伎座のこけら落とし公演に行って来た。観劇後、5階の屋上庭園を訪れたが、エレベーターの列に15分ほど並んだ割に「これだけ?」というせまさに少々がっかりした。

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