村田諒太:子どものころの夢は北斗の拳? 「モンスターズ・ユニバーシティ」のマイクに共感

「モンスターズ・インク」の思い出などを語った村田諒太選手
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「モンスターズ・インク」の思い出などを語った村田諒太選手

 ヒット作「モンスターズ・インク」の前日譚(たん)でマイクとサリーの“最恐”コンビが誕生する学生時代を描いた「モンスターズ・ユニバーシティ」が6日に全国で公開された。「『モンスターズ・インク』は思い出の映画なんです」と照れながら語るプロボクサーの村田諒太選手にその思い出や最新作の見どころを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 村田選手といえば昨年のロンドン五輪ボクシング男子ミドル級で金メダルを獲得し、今年4月「金メダリストであり、プロの世界チャンピオンという日本人で初めてのものに挑戦したい」とプロへの転向を正式に発表。今月3日には8月25日のプロ転向初試合で、OPBF東洋太平洋ミドル級王者、日本スーパーウェルター級王者の柴田明雄選手と対戦することを発表したばかり。

 そんな村田選手は意外にも前作「モンスターズ・インク」のファンだという。「実は(2010年に結婚した)妻とけんかしたときに買いに行かされたのがこの『モンスターズ・インク』(のDVD)だったんです。映画はすごく感動しちゃって(笑い)。だからこの映画は思い出の作品なんです……」と好きになったキッカケを語る。

 最新作「モンスターズ・ユニバーシティ」を観賞した村田選手は、その感想を聞かれ、「楽しかったですね。最初の方と最後、ナメクジっぽいモンスターのところがウケました(笑い)。僕もあんなふうにゆっくり動くトレーニングを取り入れて見ようかと思いましたよ(笑い)。あとはCMとかでも流れてますが、子供のころのマイクが“モンスターズ・インク”を見学に行ったとき、ちょっとした事件を起こしちゃうじゃないですか。あのときに彼は自分の“夢”を決めたと思うんですが、先生や周りがマイクに対して怒っている中、“怖がらせ屋”のお兄さんだけは褒めてくれるんですよね。あの体験はマイクのその後を支えているし、僕も褒められて伸びるタイプなので『分かるなあ』と思いましたね」と語った。

 その後マイクは一生懸命努力し、憧れの「モンスターズ・ユニバーシティ」に入学。大学ではエリート“怖がらせ屋”一族で天才肌のサリーと出会うが、全くタイプが異なる2人は考え方も相いれない。「サリーよりも、“夢”に向かって一生懸命のマイクに共感します。僕自身はサリーのように天才とはいえないですから。僕がマイクとちょっとだけ違うのは、努力だけでは自分をあんまり信用できなかったことですかね。ボクシングで大事なのはメンタル面だと思うんですが、僕自身は、練習をして結果がついてきたときにちょっとずつ自分を信用できるようになってきました」と自身とマイクとを重ねながら話す。

 そんな村田選手がボクシングを始め、アマチュア選手として五輪金メダル、さらにプロへの転向を決意した理由はなんだったのか。「中学生のころ、担任の先生に連れられてボクシングジムに行ったのが始めるキッカケです。ただ中1の時は1週間くらいでやめちゃいましたが(苦笑)。でも本気でボクシングを始めたときには『ボクシングで世界チャンピオンになりたい』という夢がありました。とはいえ、もっと小さいころは『北斗の拳』とか『ドラゴンボール』に憧れて、よく父親をけってました(笑い)」と子供のころを振り返る。さらに「すぐにプロにならなかったのは、学生時代のアマチュアで『何かを成し遂げていない』という感覚があったからなんです。昨年、いろんな人からサポートを受けて五輪で金メダルをとらせてもらったのは素晴らしい経験でした。ある意味、あの金メダルが僕の夢のスタート地点になりました。今の夢はラスベガスでファイトマネーが何億円もあるような、デカイ金額を稼げる選手になることです」と目を輝かせる。

 今作で一生懸命努力するマイクの姿を見て村田選手が思ったことは、「“夢”や“目標”を持つことの大切さ、それが自分の経験にも結びついていく」ということ。そんな村田選手は夢を持つ人たちへのアドバイスとして、「アドバイスとか、そんな偉そうにできる立場じゃないですが……」と困惑しつつも、「一つ思うのは、プロデビューに向けてこの3カ月間米国で練習していて、夢に向かっていることですごく充実しているんです。“夢”とか“目標”ってつい忘れてしまって、なんとなく日々を過ごしてしまうことが多いですが、それでは人生がつまらなくなっちゃう。大変かもしれないけど、マイクのように“夢”を目指して人生を過ごすのは、それ自体がすごく大事なことで、豊かな人生になると思います」と恐縮しながら“夢”の大切さを教えてくれた。

 「モンスターズ・ユニバーシティ」は、モンスターたちの夢と友情と心躍る冒険を描いたファンタジーアドベンチャー。幼いころから“怖がらせ屋”になることを夢見るマイクは、努力して超難関のモンスターズ・ユニバーシティに入学する。そこにはサリーをはじめ、才能あふれる未来の“怖がらせ屋”たちが大勢いたが、マイクには体が小さく“可愛すぎる”という致命的な欠点が…。怖くないために学部を追放された彼は、起死回生の“ある作戦”を思いつくが、そのいちずな思いが史上最悪の事件を巻き起こすことになる……というストーリー。6日から全国で公開中。3Dも同時公開。

 <プロフィル>

 1986年1月12日生まれ、奈良県出身。2005年、11年、12年にアマチュアボクシング部門最優秀選手賞を受賞。12年のロンドン五輪ボクシング男子ミドル級で金メダルを獲得。今年4月にプロ転向を発表し、8月25日にプロ転向初試合で、OPBF東洋太平洋ミドル級王者、日本スーパーウェルター級王者の柴田明雄選手と対戦する。

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