女優の満島ひかりさんが14日、東京都内で行われた映画「夏の終り」(31日公開、熊切和嘉監督)の完成披露試写会の舞台あいさつに登場。オリジナルの紺色の浴衣に身を包んだ満島さんは男女の三角関係を描いた大人のラブストーリーに「出演が決まる前に脚本を読んでいて、自分とは関係ない話だと思っていた。説明しづらい難しい年頃の女性だったので……」と、当初は主演に乗り気でなかったというが「監督にお会いして、『すごくすてきな方だぞ』と思って、見切り発車してしまいました」と、笑顔で出演理由を語った。
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映画は、作家の瀬戸内寂聴さんが自身の体験をもとに書いた小説が原作。発売から50周年の節目の年に映画化が実現した。妻子ある年上の作家・小杉慎吾(小林薫さん)と一緒に暮らす相澤知子(満島さん)の前に、知子が結婚していた12年前に出会い、夫と子供を捨てて駆け落ちした年下の木下涼太(綾野剛さん)が現れる。知子は慎吾との生活を続けながら、涼太とも関係を持つ……というストーリー。
舞台あいさつには小林さんと綾野さん、熊切監督も登場。小林さんは「男冥利に尽きるんじゃないですか。正妻を持ちながら愛人を作るというのは、その辺は楽しんでやりました」と笑ったが、綾野さんは「あまり覚えてないんですよね。すごい現場だったんで、ぐちゃーっとしてやってたんで、ぶえーって感じ」と、擬音を交え演技の苦労を説明。熊切監督については、満島さんの言葉を受けて、「すごくすてきなややこしい人」と紹介して、会場の笑いを誘った。
映画について、熊切監督は「この時代に、ある種のパンチのあるヒロインの映画を作りたかった。かつての日本映画の陰影の美しさをよみがえらせようと頑張りました。どうぞ最後まで堪能してください」とPR。満島さんは「何十分もかかりそうなことをまとめますね……」と言いながら「複雑な女心がきっとたくさん繊細に映っている作品だと思う。男性には理解されづらいこともあるかもしれない。もんもんとしたものを崩したくても壊したくてもできない。現場ではもがいていました」と、演技の苦労を明かし、「職人よりはアーティストが集まって作った映画。今時こんな映画をなぜ作ったんだと思うくらい。皆さんにお任せします」と、観客に評価を託していた。(毎日新聞デジタル)
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