宮本恒靖:リーガ・エスパニョーラの見どころ語る 指導者への思いも

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 スペインのサッカーリーグ「リーガ・エスパニョーラ 13−14シーズン」が17日に開幕する。WOWOWでは、専属解説者に元サッカー日本代表の宮本恒靖さんを迎え、生中継を中心に毎節5試合を放送する。国際サッカー連盟が運営するスポーツ学に関する大学院の修士課程「FIFAマスター」を7月に修了したばかりで今回がFIFAマスター修了後初の番組レギュラー出演となる宮本さんに今シーズンの見どころやFIFAマスターで学んだことなどを聞いた。(毎日新聞デジタル)

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 「12−13シーズン」は、19戦負けなしと好スタートを切ったFCバルセロナ(バルサ)が開幕から独走し、2位のレアル・マドリード(レアル)に15点差の勝ち点100をたたき出し、2年ぶりに優勝した。「13−14シーズン」では、2年連続得点王のリオネル・メッシ選手、スペイン代表のアンドレス・イニエスタ選手、シャビ選手といったバルサの強力な攻撃陣に、ブラジル代表のFW・ネイマール選手が加わったことも大きな話題を集めている。

 ◇一番の注目は「やっぱりネイマール」

 今シーズンで最も注目していることについて、宮本さんは「やっぱりネイマールがどれくらいやれるのか一番気になります」と力を込める。注目されるネイマール選手とメッシ選手とのコンビネーションについては「一番最初から合わせることは難しいのかもしれない」としながらも、「あれだけのレベルの選手となると、お互いが感じていることを理解し合うのはそんなに難しいことではない」と話す。ネイマール選手のコメントからも「メッシがチームの中で一番の選手であるということを理解した中でプレーしている様子がうかがえる」といい、「良い形でやれてるんじゃないか」と分析する。

 「バルサとレアルの監督が代わったことも注目」と話した宮本さん。バルサは、健康問題で退任したティト・ビラノバ監督に代わり就任したヘラルド・マルティーノ新監督で、レアルはフランスのパリ・サンジェルマンなどでタイトルを獲得してきたカルロ・アンチェロッティ新監督だ。宮本さんは、「チームに対するアプローチも変わってくると思う。そこの変化がどうチームに表れてくるのか。選手のヒエラルキーがどう変わっていくのか」と楽しみにしている様子。

 バルサとレアル以外の注目チームについてはセルタだといい、その理由を「ルイス・エンリケ監督になったから」と話す。バルサの新監督の候補として、エンリケ監督も名前が挙がったことに触れ、「名前が挙がったみたいですけど、呼ばれなかったので、評価ではシビアなものがあると思う。監督、指導者としてどういうふうなリアクションをしていくのか楽しみ」と話した。

 ◇解説における心構えとは

 解説で心がけていることについて「ゲームだけを追わない」と話した宮本さんに、ゲーム内容以外での楽しみ方を聞くと、「選手として難しいのは、毎試合同じだけのパフォーマンスをこなしていくこと。シーズン通して、それだけの高いパフォーマンスを(選手が)続けられているのかというところを、自分たちで採点をつければ面白味が増える気がします」とアドバイス。また、「ずっといいパフォーマンスをできていた選手が、2、3個よくないパフォーマンスが続いた場合、何が要因でというのを探っていけば、ゲームだけじゃない情報を追うというふうになっていくと思う」と話し、「解説の中でも(そういった見方を)サポートできるようにしていきたい」と力を込めた。

 ◇指導者への思い

 7月に修了したFIFAマスターでは、イギリス、イタリア、スイスにある三つの大学を回り、スポーツの歴史や成り立ち、マネジメント、スポーツに関する法律や倫理などを学んだ。弁護士やマーケティング会社の元サラリーマンなどと一緒に勉強してきたといい、日本人元プロ選手としては初のFIFAマスター卒業生となった。FIFAマスターへの挑戦理由について「自分の中でいろんな見方が増えればいいなと思った」と話した宮本さんに今後について聞くと「今まだ体は動きますし、自分がやってきたことを伝えるという意味では、コーチや監督はいいポジションだと思う」と告白し、「せっかく学んできたこともありますし、いろいろミックスしながらやっていけたらいいなとは思います」と語った。

 WOWOWでは、「リーガ・エスパニョーラ 13−14シーズン」を生中継を中心に毎節5試合を放送する。第1節は5試合を無料放送。宮本さんが解説する第1節「バルセロナ対レバンテ」は18日深夜1時40分、第2節「ビジャレアル対バジャドリード」は25日午前5時58分にWOWOWプライムで放送。

 <プロフィル>

 宮本恒靖(みやもと・つねやす) 1977年2月7日生まれ、大阪府出身。同志社大学経営学部卒業。ガンバ大阪ユースから1995年にトップチームデビュー。2000年に日本代表初選出を果たすと、2002年日韓ワールドカップ(W杯)ではベスト16進出、2006年ドイツW杯ではキャプテンを務めた。2007年にはオーストリアのザルツブルクへ移籍。UEFAチャンピオンズリーグ予備予選にも3試合出場している。2011年12月、惜しまれつつ34歳でピッチを後にした。その後、2012年9月FIFAマスターへ入学。2013年7月、第13期FIFAマスターを卒業し、日本人元プロ選手としては初めてのFIFAマスター卒業生となった。

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