FREE蛇’M:「ムシブギョー」OP曲をリリース 「テンションがアガるようキーを高くした」

アニメ「ムシブギョー」第2期OP曲の「伝心∞アンチェインド」を4日にリリースした「FREE蛇’M」の蛇足さん(左)とsamfreeさん
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アニメ「ムシブギョー」第2期OP曲の「伝心∞アンチェインド」を4日にリリースした「FREE蛇’M」の蛇足さん(左)とsamfreeさん

 「ニコニコ動画」出身の人気歌い手5人組ユニット「√5」のメンバーとしても活動するボーカリストの蛇足さんと、ボカロPとして「ルカルカ★ナイトフィーバー」など多数の人気曲を生み出したクリエーターのsamfreeさんが、新ユニット“FREE蛇’M(フリーダム)”を結成。テレビアニメ「ムシブギョー」第2期オープニングテーマの「伝心∞アンチェインド」を4日にリリースした。今回のユニットについていきさつなどを2人に聞いた。(榑林史章/毎日新聞デジタル)

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 −−どうして2人でやろうと?

 samfreeさん:僕が「ムシブギョー」のキャラクターソングをいくつか手がけていて、その流れでオープニング曲を作ってほしいと話があったんです。それで誰に歌ってもらおうか、と考えたとき、以前から声がいいなと思っていた蛇足さんが浮かんで、アニメの制作サイドに推薦させていただきました。いろいろ活躍していらっしゃるなあと以前から注目していて、いずれ一緒にお仕事をすることがあるかもなと、なんとなくうっすらですが実は予感のようなものを感じていたんです。

 蛇足さん:ニコニコ動画に関連したイベントなどで、お互い出演者として出ていたりして、それで軽く面識はあったんですけど……。僕の中でsamfreeさんというと「ルカルカ★ナイトフィーバー」とか、ユーロビートのダンス曲を発表しているイメージがあって、僕が歌っている楽曲のテイストとはフィールドが違うと思っていたので、一緒にお仕事をすることになるとはまったく想像してなかったから、最初はちょっと驚きました。

 −−意外な組み合わせなわけですね。

 蛇足さん:そうですね。むしろ周りの人が、みんなそういうふうに思っているんじゃないでしょうか。とはいえ僕は一人だとまったく動かない人間なので、誰かが一緒にやってくれるのはすごく助かります(笑い)。

 −−制作はどのような流れだったんですか。

 samfreeさん:まずアニメの制作側からいくつか提案がありました。アニメのオープニングらしさという部分でアッパーのロックがいいとか、ボカロっぽいというか、ニコ動っぽい要素をちょっと入れたいとか、江戸が舞台の話なので和風テイストを入れたいとか。それで最初に3曲くらい作って、蛇足さんをはじめアニメやレーベルのスタッフを含めたみんなで相談した結果、ほぼ一致した意見でこの曲に決まりました。それからオンラインで蛇足さんとやりとりがあって、そして本番のレコーディングを行ったという流れになります。

 −−蛇足さんは、最初に曲を聴いてどんな印象でしたか?

 蛇足さん:サビに向けて勢いがあるし、早口で歌うところはすごくキャッチーだし。オープニングにぴったりの元気な曲だなと思いました。でも僕は普段元気な曲を歌うことがあまりなくて、オープニングというよりもむしろエンディング向きのものばっかりだったから、最初は「こういう曲が歌えるかな?」と思いました。それでもなんとか、オープニングで流れてもおかしくないような歌に仕上がったんじゃないかと思います。というのも普段自分が歌っているときよりキーが高めだったので、その音程を出すにはそれなりに気合を入れなきゃいけなくて。それで、自然と勢い的なものが生まれたと思います。

 samfreeさん:オープニングだし、テンションがアガる感じにしたかったので、あえてキーを高くして、蛇足さんに頑張ってもらいました。

 −−お二人のチャレンジによって生まれた曲なんですね。

 samfreeさん:お互いにいいところを引き出し合いつつ、もっと高められたらいいなと思っていたので。たとえば早口で歌うところは、普段はやったことがなかったんですけど、ボカロやニコ動っぽさを出してほしいということだったので、そういうテイストが出るんじゃないかと思って、今回チャレンジすることができました。

 蛇足さん:高いキーは今も苦手は苦手なんですけど、このくらいだったらやれるなとか、オープニング的な雰囲気も出せるなというのが分かったので、それは自分にとって発見でしたね。

 −−歌詞はどのようなイメージで?

 samfreeさん:まず作品の世界観を壊さないようにというのが第一にあって、その上で主人公の生きざまを描き、さらにその上で聴いてくれる方の人生において、何か一つのヒントになるようなものを織り込めたらと思いました。

 蛇足さん:僕が歌詞を読んで感じたのは、あきらめない強さみたいなことでした。主人公がボコボコにされているんだけど、地をはってまだ敵に向かっているという情景が浮かびました。

 samfreeさん:そういう少年マンガの王道メッセージもしっかり描きたいと思っていました。

 −−タイトルの「伝心∞アンチェインド」はどういう意味ですか?

 samfreeさん:意味はあまりないんです。そこはわりと大ざっぱで、言葉の響きで決めたところが大きいです。いつもタイトルを考えるときは、そういう感じなんです。

 −−無限大のマークは、鎖(チェーン)をイメージしているのかなと思いました。

 samfreeさん:ああ、そんなふうに深読みしていただいて、ありがとうございます。でもそこは、単に何か入れないと物足りなかっただけです。

 蛇足さん:鎖をイメージしているというのもいいですね。じゃあ、そういうことにしておきましょう(笑い)。

 −−もしかしてFREE蛇’Mというユニット名もそんな感じで決められたのですか?

 蛇足さん:ユニット名は、みんなで候補を10個くらい考えた中から選んだんです。もっとカッコいい系の名前も候補にあったんですけど、変にカッコつけてもしょうがないんじゃないかと思って。僕としては、ちょっとダサいくらいのほうがいいというイメージで、この名前に投票したんです。

 samfreeさん:僕は、もうちょっとカッコつけてもよかったかなって。でもアニメ作品も曲も和洋折衷でなんでもありだし、すごくいいなって思います。

 蛇足さん:言葉の響きがいいですよね。ただネットで検索しにくいんじゃないかなって思うけど。

 −−このユニットは今後も?

 samfreeさん:レーベルさん次第でしょうね。

 蛇足さん:別にもうやりたくないということはないので、お仕事がいただけるのであれば、むしろぜひぜひ!

 <プロフィル>

 蛇足さん:北海道出身、O型。2008年からニコニコ動画で人気歌い手として活動するかたわら、同じく歌い手のメンバーと結成したユニット「√5」や、下呂(Gero)さんとのユニット“蛇下呂”など多彩に活動。昨年初のフルアルバム「蛇足」をリリース。

 samfreeさん:2007年からニコニコ動画でボカロPとして、ボーカロイドを使用した楽曲を数多く発表。「ルカルカ★ナイトフィーバー」「メグメグ☆ファイアーエンドレスナイト」などが有名。ピコさん、ガールズバンド「Silent Siren」などアーティストのプロデュースや楽曲制作も手がけている。

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