富野由悠季監督:SACLAを語る ガンダム新作についてもコメント

特設サイトで「SACLA」について語る富野由悠季さん
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特設サイトで「SACLA」について語る富野由悠季さん

 人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの生みの親として知られる富野由悠季監督が、世界一小さなものが見えるX線自由電子レーザー施設「SACLA(サクラ)」について語った対談が同施設の特設サイトで公開されている。富野監督は“ガンダムにSACLAを登場させるとしたら?”という質問に対し、「SACLAはあまりにもリアルすぎる技術なので登場することはありえません。ガンダムのようなロボットアニメはファンタジーですから、魔法を扱うのです」と語っている。

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 SACLAは、独立行政法人理化学研究所が兵庫県の播磨科学公園都市に建設した全長約700メートルのX線自由電子レーザー施設。世界最短波長のレーザーを実現し、原子レベルで細胞や物質の瞬間的な動きを観察し解明することができ、“巨大な顕微鏡”ともいわれている。特設サイトは、公式キャラクター「ピコネコ」が極小のピコの単位などについて解説するコーナーなど五つのコンテンツで構成。富野監督の対談は同施設の魅力などについて著名人が語る「SACLA×GENIUS」で紹介されている。

 X線やSACLAについて勉強してきたという富野監督は「科学技術というのは、SACLAのような施設で事象を精緻に観察して、物質の癖を徹底的に理解したうえで研究していかなければならないのではないか」とコメント。さらに「原子力は、みんないまだにどう扱ったらいいのか慌てふためいている。使用することでどんなことが起こるかちゃんとわかっていなかったから、作ってしまってから困り果てることになった」と語っている。

 また、富野監督はSACLAを見学して、制作中であるガンダムの新作の方向性が固まったという。「“これだったら”という物語を見つけた。その考えに至ったことで、次の新作はかなり自信を持って作っています」とコメントしている。(毎日新聞デジタル)

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