はじめの1巻:「甘々と稲妻」 父子と教え子の女子高生が心通わせる“食卓マンガ”

雨隠ギドさんの「甘々と稲妻」(講談社)の表紙
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雨隠ギドさんの「甘々と稲妻」(講談社)の表紙

 1巻が発売されたコミックスの中から、編集部と書店員のお薦めマンガを紹介する「はじめの1巻」。今回は「good!アフタヌーン」(講談社)で連載、子育てに奮闘する男性教師が、愛娘、教え子の女子高生と一つの食卓を囲んで心を通わせるさまを描いた雨隠ギドさんの「甘々と稲妻」です。

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 妻を亡くした高校教師の犬塚は、男手一つで幼い娘・つむぎを育てている。洗濯、掃除、娘の世話……と奮闘しているが料理は苦手で、2人で弁当をほおばる毎日。ある日、2人は母親が料理店を営んでいるという少女・飯田小鳥と出会い、「今度食べにきて」と店のカードを渡された。後日、犬塚がテレビに登場する料理にくぎ付けになっているつむぎを見て、いてもたってもいられなくなり、小鳥の母の料理店に向かう。

 ◇編集部からのメッセージ 講談社アフタヌーン編集部 田代真澄さん 「いろんな幸せがつまって多幸感に涙も」

 「甘々と稲妻」で最初に決まったのは「教師と生徒」でした。

 作者の雨隠ギドさんと好きなキャラやシチュエーションの話をしていたところ、雨隠さんが「教師と生徒って最高ですよね」と萌(も)えを告白。教師と生徒の恋愛を描いた名作の話で盛り上がりました。

 掲載誌の「good!アフタヌーン」(毎月7日発売)は青年誌なので、主人公は男性教師にしようと、まず犬塚先生が決まったんです。

 さらに、雨隠さんの描く子供が大好きなので「小さい子供もぜひ」とリクエスト。3人がどんな関係性なら一番面白いだろう、何か共同作業をさせたいと考えて、最終的に「料理」に決定。「甘々と稲妻」の原型が出来上がりました。

 自分の作ったごはんを大事な人が食べて笑顔になってくれる幸せ、大事な人が自分のために作ってくれたごはんを食べる幸せ、大事な人と食卓を囲んで「おいしいね」という気持ちを共有する幸せ……。原稿にいろんな種類の幸せがつまっていて、多幸感に涙が出るほど。毎回涙を堪えつつ入稿作業をしています。あと、入稿中におなかが減って仕方がありません。

 おかげさまで重版も決定しました! 本当にありがとうございます。今後も楽しんでもらえるよう、雨隠さんともどもがんばります。

 ◇書店員の推薦文 伊吉書院 類家店 中村深雪さん 「どこをとってもおいしい」

 最近急激にいちジャンルを確立しつつある、青年と子供の日常を描いたほのぼのストーリー。そのどれもに共通するのはとにかく子供の可愛さ! この作品のつむぎちゃんも、食べる姿がとてもキュートです。毎日ひとりでさみしく夕飯を食べていたつむぎちゃんが、久々のお父さんと一緒の食事で言うんです。「おとさん! たべるとこみてて!」と。なんていじらしい! ぎゅっと抱きしめて、おいしいものをたくさん食べさせてあげたくなります。つむぎちゃんだけでなく、つむぎちゃんのお父さんの教え子の女子高生・小鳥ちゃんもけなげでとても良い子。小鳥ちゃんと先生のラブ方面もとっても気になります。食・親子の愛・恋、どこをとってもおいしい1冊です!

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