高畑勲監督:盟友・宮崎駿の引退「変わる可能性も」

1 / 21

 14年ぶりの劇場版アニメとなるスタジオジブリの新作「かぐや姫の物語」(23日公開)を手掛けた高畑勲監督が7日、東京都内で行われた同作の完成報告会見に出席。公開中の映画「風立ちぬ」をもって長編映画の製作から引退することを明らかにした盟友・宮崎駿監督について「『今回は本気』とか言っていたけど、変わる可能性も十分ある。長い付き合いをしていてそう思う。そういうことがあっても全然驚かないでほしい」と笑いながらコメント。高畑監督の次回作については、「全然考えていません」と話し、自身の進退は明言しなかった。

ウナギノボリ

 「宮崎駿監督がいない最初のジブリ作品になりますが?」と報道陣から聞かれた高畑監督は「宮崎駿はいるので、なんの思いもない」とし、「(『かぐや姫の物語』を宮崎監督が)見ていると思うが、感想は聞いていません」とキッパリ。同スタジオの今後については「ジブリをどうするかは鈴木敏夫プロデューサーと宮崎駿が決めてきたので、責任もない」と話していた。

 製作期間8年、製作費50億円をかけてやっと完成した同作について、高畑監督は「高いお金と長い時間がかかってやっと完成できた。自分自身うれしく思う」としみじみした様子。「私は一緒に仕事をする仲間にそれほど感謝しないが、今度ほどありがたいと満たされたことはない。ここにいる皆さんと優秀なスタッフに心から感謝したい」とユーモアたっぷりに感謝の気持ちを伝えた。作品の手応えについては「表現が新しいだけでなくて、図々しく言えば、これからの日本のアニメーションが一歩進めたような気がしている。優秀なスタッフの力です」と力を込めた。

 「かぐや姫の物語」は「竹取物語」を基にした作品。高畑監督の新作は「ホーホケキョ となりの山田くん」(99年公開)以来14年ぶりということもあり注目されている。当初は公開中の宮崎駿監督の新作「風立ちぬ」との同日公開が予定されていたが、その後、秋公開へ延期されていた。かぐや姫の声優を朝倉あきさん、かぐや姫の幼なじみの捨丸をアニメーション映画の声優は初めてとなる俳優の高良健吾さん、翁(おきな)を12年6月に亡くなった地井武男さん、媼(おうな)を宮本信子さんが演じるほか、高畑淳子さん、田畑智子さん、立川志の輔さん、上川隆也さん、伊集院光さん、宇崎竜童さん、中村七之助さん、橋爪功さん、朝丘雪路さん、仲代達矢さんも声で出演している。会見には、朝倉さんらキャスト陣、主題歌を担当した二階堂和美さん、脚本を担当した坂口理子さん、日本テレビの大久保好男社長も出席した。23日公開。(毎日新聞デジタル)

写真を見る全 21 枚

アニメ 最新記事