22日に発売されたソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」は、緻密で美しいゲーム画面に加え、動画配信にも対応し、スマートフォンアプリ「PS App」・携帯ゲーム機「PSVita」と連動する。発売日にゲーム機が届いたので触ってみた。
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インターネット販売で予約をしていたPS4が22日の午前中に届いたので、早速箱から出して、初代PS3と並べてみた。PS4は軽くて持ち運びやすく、かさばるACアダプターもない。電源とHDMIケーブル、有線だったのでLANケーブルをつなぐとすぐに起動でき、設置は楽だった。電源を入れると、おなじみのPSのロゴが現れ、コントローラーの接続を指示されたが、表示される言語が21種類もあったのは驚いた。
周辺機器「プレイステーションカメラ」の設定では、自分の部屋が映し出され、自宅がスタジオになったようで新鮮な気分だった。タイムゾーンを日本にして、時刻を確認、許諾の同意を経て設定が終了。すると最初に「What’s new」と表示された画面が飛び込んできた。この画面は、利用者がよく使うゲームなどが優先して表示されるので、使い込むほど所有者の好みになる仕掛けだ。
ネットワーク接続には、新型ゲーム機にはつきもののファームウェアのアップデートが必要になるが、かかる時間は想像以上に早かった。有線の家庭用光回線という環境だが、最初の時間設定から、ファームウェアのダウンロード、インストールまで10分足らず。箱などを片づけている間に終わってしまった印象だ。
PS4の性能をフルに生かすには、ネットワークサービス「PSN」の加入が必須。PS3やPSVitaで既にPSNを使っている人はそのままで問題ないが、持っていない人はPSNの公式サイトでもアカウントを作成できる。ゲームのダウンロード販売、体験版の配信、バージョンアップ、インターネットの閲覧、動画やスクリーンショットのアップなど、ネットがらみではPSNは必要。なしではPS4ではキレイな画面のゲームをプレーするにとどまり、魅力は激減する。
PS4の楽しみは言うまでもなく、美しいグラフィックのゲームが楽しめることだ。PS4になって、より美しく細かい描写もできるため、戦場を舞台に敵を倒していく「キルゾーン」や、サッカーゲーム「FIFA14」などはPS4のリアルなグラフィックがそのままゲームとしての面白さに直結するだろう。ただし、今回日本で発売されるPS4の初回版は、アクションゲーム「KNACK(ナック)」が最初から付いており、さらに最初からインストールされている「プレイルーム」では、周辺機器の「プレイステーションカメラ」を活用してホッケーなどのミニゲームや、AR技術を用いた遊びも楽しめる。
PS4を触って感じるのは、ゲーム本編以外にも、知らず知らずのうちにゲームに触れるサービスを用意していることだ。特に、最も可能性を感じたのがリアルタイムで動画を配信するサービス「Live from PlayStation」だ。かつて友達が遊んでいるのを後ろからのぞきこんだように、他人のプレーを観戦したり、自らのプレーを公開できる。この動画配信の画面がとんでもなく美しい上に、自らのプレーに自信を持つ人たちが公開していることが多いため、ゲームの面白さや魅力がわかりやすく伝わってくる。文字では分かりにくい隠しアイテムの場所も動画であれば一目瞭然だし、現在若い世代に人気の「ゲーム実況」のような使い方も考えられそうだ。特別な機材なしでネットに動画を上げられるので、思いもよらないところから新たな“ネット界のスター”が生まれるかもしれない。
しかもこの「Live from PlayStation」は、スマートフォン向けの無料アプリ「PS App」からも利用できるため、スマートフォンでも美しいゲーム画面を見ることができる。動画を見て「遊んでみたい」と思えば、出先であろうとダウンロードで購入できる。動画を見て買うゲームを決めることもこれから増えていくだろう。
ゲームファンの間で、期待されているのが携帯ゲーム機「PSVita」を利用したリモート機能だ。クラウド技術を用いてPS4とPSVitaを連動させることで、ハイスペックなPS4のゲームが、外出先のPSVitaでも遊べるようになる。無線LANで実際につないでみると部屋の中では快適に動く。今後は、PSVitaを持ち出して、どこまで快適に遊べるか試したい。
PS4のゲームをPSVitaでリモートで遊ぶことが当たり前になると、ゲーム会社のソフト開発・販売戦略が変わることもありえる。日本市場は携帯ゲーム機全盛だが、PS4のリモートプレーが盛んになれば、ゲーム業界の勢力図が変わるかもしれない。
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