注目映画紹介:「映画ドラえもん 新・のび太の大魔境」 ジャイアンがカッコいい! 魔境探検の旅

(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2014
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(C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2014

 前作ではひみつ道具を使ったオリジナル作品でヒットを飛ばしたドラえもんの長編劇場版の最新作である34作目「映画ドラえもん 新・のび太の大魔境~ペコと5人の探検隊~」が全国で公開中だ。1982年に公開された「のび太の大魔境」のリメークで、秘境に行くことに憧れるのび太たちが、空き地で拾った子犬のペコに導かれるようにしてジャングルの奥地へと冒険する夏休みの日々を描く。原作者の藤子・F・不二雄さんの生誕80周年記念作品で、テレビシリーズを手がける八鍬新之介監督が手掛けた。

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 夏休み、のび太(声・大原めぐみさん)は「地球のどこかにあるはずの秘境」を探しており、空き地で倒れていた子犬を発見した。そのまま見過ごせなくて食べ物をあげたのび太は、ペコと名付けて飼い始めることにした。ドラえもん(声・水田わさびさん)のひみつ道具である小型人工衛星で秘境探しをしていると、大量の衛星写真の中からペコが1枚の写真を見つけ出す。それは、上空一帯が常に霧で覆われて、衛星写真でも全く撮影のできない現代の秘境ヘビー・スモーカーズ・フォレストにある謎の巨神像だった。ドラえもんとのび太、ジャイアン(声・木村昴さん)、スネ夫(声・関智一さん)、しずか(声・かかずゆみさん)たちは、空き地から「どこでもドア」を使って、ジャングルに潜入。大冒険が始まった……という展開。

 ドラえもん映画を初めて見る子どもたちが楽しめて、子どものころに見た親世代が懐かしく思う「魔境探検の旅」は大人も童心に帰って素直に楽しめるテーマの一つだ。「植物改造エキスI」でおなかを満たし、帽子が大きくなる「キャンピングハット」で宿をとる。誰よりも探検ムードを大事にするジャイアンにとっては邪道な道具も多く、ドラえもんに置いてくるよう命じるのだが、道具が足りなくて危うい目に遭うことも……。その責任を取ろうとするジャイアンが男らしい。そう、今作はジャイアンがカッコいい作品でもあった。危険を前にして先陣を切り、泣きたいときは人知れず泣く。旅は、ペコの秘密とともに、戦闘という大掛かりな展開となっていき、迫力を増していく。ゲスト声優は小栗旬さんとお笑いコンビ「COWCOW」。ドラえもんのテーマ曲を聴くと大人でもウキウキしてくるが、エンディングで流れるKis−My−Ft2の主題歌も、口ずさみやすいメロディーラインが印象的だ。8日からTOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開中。(キョーコ/フリーライター)

 <プロフィル>

 キョーコ=出版社・新聞社勤務後、闘病をきっかけに、単館映画館通いの20代を思い出して、映画を見まくろうと決心。映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。

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