アニメ質問状:「弱虫ペダル」 「アブ!!」の泉田塔一郎が制作陣に人気

(C)渡辺航(週刊少年チャンピオン)/弱虫ペダル製作委員会
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(C)渡辺航(週刊少年チャンピオン)/弱虫ペダル製作委員会

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は渡辺航さんの人気マンガが原作の「弱虫ペダル」です。トムス・エンタテインメントの竹村逸平プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

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 −−作品の概要と魅力は?

 アニメ大好きオタク少年の坂道が、ひょんなことから自転車競技部に入り、インターハイ優勝を目指していくという物語です。気のよい仲間、頼れる先輩たちの中で、ロードレースの魅力にハマり、多くの試練を乗り越えていくことで才能を開花させ成長していきます。また坂道のいちずな思いがチームを発奮させ、さらなる頂へと彼らを押し上げていきます。個性的なライバルとの激しい闘い、熱い友情、勝利への情念、ロードレースならではの展開や絆も含めて、とにかく“熱い”作品となっています。

 −−アニメにするときに心掛けたことは?

 原作の面白さを損なわないようにして、さらに熱く、そして疾走感を持った映像にすることを心掛けました。自転車レースですが、それを超越したぶっとんだ表現で“熱さ”を見せていきたいと思いました。その反面で、自転車の挙動や音、デザインなど、リアルなテイストを入れてロードレースの魅力を伝えようとも考え、スイッチを切り替えるような絶妙なバランスの演出を目指しています。キャラクターもとても魅力的なので、最近の連載にあるエピソードやオリジナルストーリーを加えて、インターハイにより感情移入できるような構成にしてあります。

 −−制作陣で人気のキャラクターは?

 箱根学園の泉田塔一郎です。自らの肉体を鍛え上げ、鋭い槍(やり)と化してゴールまで一直線に駆け抜けるトップスプリンターです。大胸筋に名前を付けて育てていたり、独自の理論を誇らしげに語ったり、口癖が「アブ!!」だったりと、相当インパクトの強いキャラクターですが、それでいて真剣にロードレースに向き合っている姿勢がミスマッチで面白く、でもカッコいいということで、彼が映像に出る度に制作陣は盛り上がっています。あとは声優さんとキャラクターが見事にハマッた杉元照文も人気があります。言わずもがな、御堂筋翔も“人外”の動きと、不気味な登場は衝撃で、これからの自転車アクションが楽しみです。

 −−作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 自転車レースということで、最初から作画とCGを組み合わせた作品作りになることは分かっていたのですが、前例がほとんどないことから不安でいっぱいでした。それが試行錯誤を繰り返しながら、総北高校のメンバーがレースをしている映像になったときはうれしかったですし、感動しました。はじめのころは、CGモデルそのものが少なく、作画のガイドのためのCGモデルに金城真護ばかりを使用していて、開発中の画面が金城で埋め尽くされたり、首のないCGモデルで音響作業をしたりと大変でしたが、今はCGモーションも安定して、むしろさらに面白い見せ方はできないかという可能性を模索しています。

 −−今後の見どころを教えてください。

 いよいよインターハイに突入しましたし、まずは集団戦の迫力、位置取りなどの戦略、平たん道や山岳での走り方や闘い方など、ロードレースの魅力を感じてほしいです。そしてついに秘密のベールを脱ぐ箱根学園メンバーの実力と、それに対抗する総北高校の意地と誇り、彼らのロードレースにかける情念の背景にある過去や因縁も明らかになっていきますので、それが見どころと言えるでしょう。必殺の自転車アクションも目白押しになりますので、ド派手な演出にも注目してほしいです。原作を見て涙したシーンをさらに熱く描いていきますので、魂のドラマを楽しみにしてください。

 −−ファンへ一言お願いします。

 原作がとにかく面白くて、僕らも含めて制作スタッフが次々にロードバイクを買ってしまったほどです。現場は大変ですが、みんな楽しみながら制作していますので、そんな気持ちが映像に乗って伝わるとうれしいです。個性的なキャラクターがカッコよく疾走する姿を楽しみにしていただき、熱い物語に涙してもらえれば最高です。加速的にレースもヒートアップしていきますので、ご覧になっている皆さまが思わずロードバイクを買ってしまうくらいの熱量で走っていきたいと思います。

トムス・エンタテインメント 制作8班 アニメーションプロデューサー 竹村逸平

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