井上真央:「仕事は天使でプライベートは悪魔」な二面性を告白

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 女優の井上真央さんが主演する映画「白ゆき姫殺人事件」(中村義洋監督)が29日、全国で公開された。「告白」などで知られる作家の湊かなえさん原作のサスペンスで、井上さんはある殺人事件の容疑者として疑われる会社員を演じている。

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 映画は、菜々緒さん演じる化粧品会社に勤める美人社員・典子を殺害した犯人を巡って、インターネットやテレビで人々のうわさが錯綜(さくそう)するゴシップエンターテインメント作。犯人の疑いをかけられる被害者の会社の同期・美姫を井上さんが演じ、事件を追うワイドショーのディレクター・赤星を綾野剛さん、また、ワイドショーで証言する関係者として、貫地谷しほりさん、金子ノブアキさんらが出演している。

 ◇ネットに翻弄 死亡説が流れた過去も

 井上さんが演じる美姫は、華やかな典子に対して地味で特徴のない女性。これまでさまざまな役を演じてきた井上さんだが、典子という役柄に「私も地味なので。電車に乗ったりスーパーに行っても全然ばれないし、ふっと存在を消すのが得意。とくに高校時代は、テレビに出る派手な仕事をしているので、『普段はおとなしくしていよう、目立たないようにしていよう』と思っていましたね」と役柄に共感を寄せる。

 一方で、美姫は知人がワイドショーで語る証言によって、同じ出来事を異なる人物像で描かれる。「(証言者の)それぞれの視点で同じシーンを何パターンか撮影していったんですが、そのたびに仕草を変えたり、監督とアイデアを出しながら演じました」と撮影を振り返る。「役柄のもともとの軸は作らないといけないと思いつつ、見る人によって異なる印象の役を演じるのはあまりない経験でした。『私は、私が分からない』という美姫のせりふがありますが、私自身も『こういう子を演じよう』みたいなものは今回なかったですね」と役作りを語る。

 ◇健康法は「温かいお湯を飲むこと」

 美姫は魔女か天使か……。その真相は今作のラストで描かれるが、井上さん自身、二つの面を持っているという。「『仕事は天使で、プライベートは悪魔だね』っていわれます」と笑う。「これまでの役柄のせいか、元気でハツラツとしたイメージを持たれるんですが、自分では普通にしているつもりでも『テンション低いんだな』って思われたりしますしね。あとは何か面白いものを見つけてイジったりもするので『悪魔だね』っていわれることも」と続け、今作でも「スタッフの人をイジったり、イタズラしたり」と井上さん流のコミュニケーションを取ったという。

 また、映画では匿名の人々によるツイッターへの投稿でネットは炎上し、美姫を巡って報道も過熱するが、井上さん自身、「ネットの書き込みで落ち込んだ」という過去もあるという。「中学生のときにネットで死亡説が流れたことがあります。高校受験でパタッとテレビに出なくなったことがきっかけだったのか……。家族から聞かされたときはびっくりしました」と明かし、「情報って怖いなと思いました」と今作さながらのうわさ話の恐ろしさを語った。

 今回、化粧品会社に勤める会社員を演じているが、普段の美容法を聞くと「いろいろ続かないほうなので、最終的には簡単なものが一番。メークをきちんと落とすことと保湿はするという基本的なことですかね」と話し、「あまり特別なことはしていない」という。ただ、足つぼに行った際に「起きたときと寝る前に温かいお湯を飲む」という健康法を教わり、「ここ1年続けています。寝る前に飲むと体も温まるし、寝つきもいい。夏でも体の表面は冷えていなくても、中は冷えているので肌や便秘にもいい気がしています」と語った。

 ◇大河主演も「楽しむ余裕持ちたい」

 今作で美姫を演じたことを「チャレンジだった」と振り返る井上さん。来年にはNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の主演も決定している。今後、ますます活躍が期待されるが、現在の状況について「これからすごく大きな仕事をさせていただきますし、主演で中心に立てることも何度もあることではないと思っています。楽しみだけど、いろんなプレッシャーもある」とコメント。

 「『堂々としているね』っていわれるけど、初めてやることは踏み出すのにビクビクします」という半面、「でも昨年、司会にも初挑戦して、『何事も一歩の勇気が必要だ』と思った。これまではネガティブな要素があったけれど、そういう意味で作品に対して楽しめる余裕を持って挑んでいきたい」と意気込みを見せた。

 <プロフィル>

 いのうえ・まお。1987年1月9日生まれ、神奈川県出身。子役として活躍し、2005年にスタートしたドラマ「花より男子」(TBS系)シリーズで主演したことで注目を集める。その後、11年のNHK連続テレビ小説「おひさま」のヒロインを演じ、「ファースト・キス」(07年、フジテレビ系)、「トッカン 特別国税徴収官」(12年、日本テレビ系)など話題のドラマに出演。13年に舞台「MIWA」や映画「ダーリンは外国人」(10年)、「綱引いちゃった」(12年)と活躍の場を広げ、「八日目の蝉」(11年)では第35回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞など数々の賞を受賞。現在、出演した映画「永遠の0」がヒット中で、15年にはNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の主演が決定している。

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