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玉木宏:「アフリカ BBCオリジナル完全版」でナレーション 「キリンの決闘が心に残っている」

映画
ナレーションを担当した「アフリカ BBCオリジナル完全版」について語った玉木宏さん

 映画「アース」「ディープ・ブルー」などを製作した「BBC EARTH」が、約4年におよぶ取材で撮影したアフリカでの貴重な映像を収録した映像作品「アフリカ BBCオリジナル完全版」が23日に発売された。「BBC EARTH」は、英国の公共放送局BBCが制作するドキュメンタリー番組で、今作には初めて撮影に成功したキリンの決闘や最新技術のカメラで撮られたクロサイの夜の姿などが収められている。俳優の玉木宏さんが日本語版ナレーションを担当した。ブルーレイディスク(BD)とDVD発売にあたり、玉木さんにアフリカや動物たちの魅力などについて聞いた。

 「普段、実際に見たいと思っても見られないものが詰まっている作品なので、それがやっぱり最大の魅力じゃないでしょうか。見てちょっと癒やされたり、刺激を受けたりします」とネーチャー系のドキュメンタリー番組の魅力を語る玉木さん。もともと「ネーチャー系の作品やドキュメンタリー作品を見るのが好き」といい、「お話をいただき、BBCとなるとすごくクオリティーが高いので、うれしかったですね」と今回のオファーを喜んだという。

 玉木さんはこれまでにテレビ番組「世界ウルルン滞在記」でエチオピア、カメラマンとしてボツワナの計2回、アフリカを訪れたことがあるという。「2カ所だけでも全然違ったアフリカの色が見られました。今回(の映像作品で)もまったく違うアフリカの姿が見られます。(自分が)知っている情報はごくわずかで、実際に見たことがないものはたくさんあるし、それをこうして映像を通して触れられたというのはすごくうれしい」と話す。続けて「『ウルルン』では旅行では行けないような場所に行くので、当時は行ったことがある海外はハワイしかなくて、カルチャーショックそのものでした。いいのか悪いのか(は別にして)“アナログ”のまま。彼らはすごく向上心を持っていて、学校も小さなものしかなかったんですが、日本を知ってくれていた」と当時の心境を思い返しながら、アフリカのイメージを語る。

 ナレーションの役割は、体を使って演技をする俳優とはまた異なる作業になるが、玉木さんは「僕が好きで見ていて『いい番組だな』と思うのは、ナレーションの方がいい距離感でその作品と向き合っていて、たくさんしゃべっているけれど聞いていて邪魔にならない、押しつけがましくないものです」と自らが思うベストなナレーションを説明し、「僕もそういうやり方にしたかったですし、見ているだけでもすごい映像なのでそこに補足して説明の言葉を入れたかった」という。続けて、「淡々と、でもアフリカの自然が持つパワーに対して、力強い言葉でありながらも邪魔にならないように、あとはどこか見ている方の好奇心や高揚感をあおるような表現ができたらと思いながらやっていました。ただ考えていることとイメージとが矛盾していることが結構多く、そこに近づけながら言葉を発するというのは難しかったです」と現場での苦労を語る。

 ナレーションの収録現場では「説明のために難しい言葉が並んでいたり、普段使う話し言葉ではない言葉が続いたりするので、どうしても(言葉を)かんでしまったり、単語としては知っていても、今まで発したことがないような言葉もあるので、イントネーションに苦労しました」と思い出して苦笑い。なかでも専門用語や動物の名前が難しかったそうで、「“ハダカデバネズミ”なんて、なかなか言うこともないですしね」と笑顔で語る。

 約4年で総撮影時間が1500時間にもおよぶ素材の中から、誰もが見たこともないようなアフリカの姿が見られる今作。玉木さんは数あるシーンの中で「キリンの決闘」が心に残っているという。「穏やかでのそのそと動いているキリンしか見たことがなく、こんな(激しい)キリンを見たことがなかった。こんなに首を使って完全にノックアウト状態になるまで闘うんだな」と驚いたことを明かす。心引かれた動物は「ゾウ」で、その理由を「すごくパワーがあって存在感も含めて、わりと好きです」と話す。

 カメラが趣味でカメラマンとしての仕事も受けたことがある玉木さんは、普段は「サファリパークで動物を撮ったり、飼っている犬を撮ったりしている」といい、この春には「桜がきれいだったので公園に一人で出かけて撮影しました」とか。玉木さんは犬を飼っているが、「サファリパークとか動物がいるところに行くと触れ合いパークみたいなところがあり、カンガルーに触れたりできて好きですね」と、普段から動物と触れ合うことも好きだといい、「カンガルーもボクシングのように本当に戦っていたりして、結構面白いです」と動物好きな一面を見せる。

 そんな動物好きの玉木さんに、初めてはまったポップカルチャーを聞くと、初めて見た映画が「ゴジラ」だったと答えた。「どの作品だったのかは覚えていないんですけど、祖父に連れられて見に行きました。一番前の席で見てずっと『首が痛いな』ということしか覚えていない」と笑いながら思い出を語る。そして、「はまったとなると……ドラマは好きでよく見ていました。すごくテレビっ子で映画よりもテレビを見る機会が多く、映画ははやりものしか見に行かなかった。本やマンガを読むことよりも映像で動いているものを見ている方が好きでした」と現在の俳優という職業につながるような子供時代だったことを明かす。

 今作を見て「アフリカという大地には知らない世界がたくさんあるし、大げさかもしれないけれど、恐竜が生きていたころはこういう感じだったのかな……」と感想をもらす玉木さん。続けて、「人の手がまだ行き届いていない場所はそのまま残すべきだと思うし、そのことが(今作の)最後のテーマにもなっています。自然が作り上げたパワーがまだこれだけたくさん残っていて、でも人が文化や知恵、言葉を持って進化してしまったことが、動物や自然を絶滅に追いやっているのかもしれない。もしそうだとしたら、守るということでやはり人の手でもう一回(自然を取り戻すために)何とかしなければいけない……というテーマが詰まった作品だと思います」と映像を見て感じたことに加えて持論を展開する。

 ナレーションの仕事は、「ずっとやりたいと思っていたこと」という玉木さん。「この作品をへて次をやる時には、もうちょっと今回の経験を生かせるかもしれない。“言葉を使ってある世界を表現する”という意味では俳優業と変わりはないと思うので、それをどういう立ち位置でやるかというだけ。もっともっとやってみたいし、やった分だけ経験になると思う」と前向きに語り、「(映像と声が)ちゃんと一体化していればいいなという思いがあるので、映像を見ている中で、いい形で状況を補足できていればうれしいです。しっかりと映像にひたっていただけるような思いで声を入れたので、ぜひ堪能してください」と力強く語った。

 *……ブルーレイディスク(3枚組み)1万1000円(税抜き)▽DVD(3枚組み)9000円(税抜き)、発売:BBCワールドワイド/販売:エイベックス・ピクチャーズ

 <プロフィル>

 1980年1月14日生まれ、愛知県出身。2001年に出演した映画「ウォーターボーイズ」で脚光を浴び、以降、NHK連続テレビ小説「こころ」、大河ドラマ「功名が辻」、「のだめカンタービレ」(フジテレビ系)など数多くのドラマに出演。映画出演作には「ROCKERS」(03年)、「ただ、君を愛してる」(06年)、「ミッドナイト・イーグル」(07年)などがある。14年には「幕末高校生」(7月26日公開予定)やドラマの続編となるスペシャルドラマ「事件救命医2~IMATの奇跡~」(テレビ朝日系)が6月15日に放送される。

(インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)

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