井上雄彦:ガウディとの比較は「おこがましい」 コラボ展12日スタート

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 「スラムダンク」「バガボンド」などを手がけたマンガ家の井上雄彦さんが11日、東京・六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーで12日に開幕する「特別展 ガウディ×井上雄彦 −シンクロする創造の源泉−」の内覧会に登場。「サグラダ・ファミリア」などで知られるスペインの建築家アントニオ・ガウディとのコラボ展に、井上さんは「僕とガウディを比較するなんておこがましいし、自分をそこまで(の人間)とは思えない」と謙遜した。

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 今年4月、スペイン・バルセロナにあるガウディの建築作品「カサ・ミラ」内に1カ月間アトリエを構え、同展のために作品を描き下ろしたという井上さんは「バルセロナで何回か迷子になって、ふと気づくとガウディが以前暮らしていたアパートの前にたどり着いていて、その時はガウディの魂に呼ばれたのかなって感じましたね」と語った。

 同展は、2013~14年に日本とスペインで開催される「日本スペイン交流400周年」文化事業のフィナーレを飾る特別企画。スペイン・カタルーニャ工科大学の監修のもと、素描、設計図、模型、家具など、19~20世紀にかけて活躍したガウディの偉業を伝える貴重な資料約100点が展示されるほか、井上さんが、資料だけでは伝えきれない“人間・ガウディ”に鋭い観察力と創造力で迫る描き下ろし作品40点も登場する。

 今回、井上さんはガウディの少年期・壮年期・老年期の肖像にとどまらず、人生のストーリーさえも創作。また、最大で縦3メートル、横10メートルにもなる描き下ろし作品は、すべて和紙に墨で描かれた。井上さんは「墨をする作業って本当に面倒で、1時間すってもほんの少ししか出ない。描くことが実践だとしたら、墨をするのはその間の時間で、実はその実践の前後の時間が自分と向き合って、余計なものが落ちていく、とても大事な時間だって気付かせてくれた」と振り返っていた。

 「特別展 ガウディ×井上雄彦 −シンクロする創造の源泉−」は、9月7日まで。金沢、長崎、神戸、仙台でも順次開催予定。

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