雨宮塔子:ファッションは「パンツ派」、メークは「素肌っぽく」が自分流

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 元TBSアナウンサーの雨宮塔子さんが、最新エッセー「パリ、この愛しい人たち」(講談社)を発売した。同局を退社後、1999年に渡仏し、現在もパリで暮らす雨宮さんが、これまでに同地で出会った印象的な人や出来事についてつづっている。「カッコいいことが評価される」というパリ仕込みの雨宮さんのファッションやメーク術、美しいスタイルを維持する秘けつや健康法などを聞いた。

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 「パリ、この愛しい人たち」は、女性誌「Grazia」の2012年5月号~13年8月号で雨宮さんが連載していた「瞼のパリ 忘れ得ぬ私的名場面」に、7本の書き下ろしを加えたもの。同書の表紙と巻頭7ページには、パリの街並みを背景にした雨宮さんの写真がカラーで掲載されており、着用している洋服はすべて私物だという。

 同書でクールなパンツスタイルを披露している雨宮さんだが、普段のファッションも「パンツ派」で、色味は「モノトーンが多い」とのこと。「日本はきれいな色を着たり、季節感を出したりすると思うんですが、あちらのファッションは暗い色が多い。でも、地味に終わらない何かを持っているんです。カッコいい人が多いですよね。それから、日本は可愛い文化が流行していますが、フランスでは“ミニョン=可愛い”は子供っぽいととらえられることもあって、あまり評価されないんですよ」と語る。

 また、「最近、フランスでいいなって思うところは、昼と夜のシーンでファッションを変えるんです」と雨宮さん。「フランス人は自分を上げるのがうまいというか、楽しみを見つけるのがうまい人達だなっていつも思いますね。私も夜のディナーでは、マイナーチェンジを含めて、変化をつけることを楽しんでいます」と続ける。

 そんな雨宮さんのお気に入りのファッションアイテムは「アクセサリー」。特に「ブレスレットとピアスが好き」で、「私は、首や指周りにあまり物をつけないんですよ。シンプルが好きで。普段Tシャツなどカジュアルな服装も多いので、子供っぽくならないよう、大人らしさを演出するためにもつけるようにしています」とこだわりを明かした。

 さらに、メークもフランス流。「ワンパターンです」と笑う雨宮さんだが「いかにもメークをしましたっていうのはフランス人の好みではない。ほとんどファンデーションを塗らずにパウダーだけをはたいているんじゃないか、という方ばかりで。なので、私も素肌っぽく仕上げることが一番のポイントです」と話し、「口紅もほとんどつけない。リップかグロスぐらい。アイカラーは好きですけど」とワンポイントに重点を置いたメークを楽しんでいるという。

 フランスで自然体の美を磨いている雨宮さん。母となっても変わらないプロポーションの秘けつも気になるところだが、その点は「長女が生まれる前までジムに通っていましたが、今は何もやっていません」と意外な答えが返ってきた。健康法については「整体に興味があります」といい、「フランスに住んでいる元ライフセーバーで武術に精通している方から、いろいろ教えていただいたんです」と語る。

 「施術していただくうちにコツも分かってきて。たとえば1日中ヒールでいると腰が張ってくるので、そこをほぐして、片足ずつわざと関節をはずして、入れ直す。体の調整が大好きになりました」と語り、「あとは中国人の針のすごくうまい先生がいるので、その方からもいろいろ教わって。そういった本を書くのも面白そう」とさらなる意欲も見せた。

 最新本を含め、これまで多くのエッセーを出版している雨宮さんだが、将来は「小説も書いてみたい」と目を輝かせる。これまでは異国で出会った新鮮な出来事や文化、人を紹介してきたが、「40歳を過ぎてもっとできることはないかなって思ってきました」といい、「まだテーマは漠然としていますが、小説ならもっと深いことを描くことができると思っています。たとえば、エッセーではあまり描けなかった人の暗い部分やドロドロしたことなど。パリには、小説の材料も多く転がっていると思います」と今後の展望を語った。

 <プロフィル>

 あめみや・とうこ。1970年生まれ、東京都出身。1993年、成城大を卒業後、TBSに入社。「どうぶつ奇想天外!」「チューボーですよ!」などの人気番組を担当する。99年に退職し、パリに遊学。フランス語、西洋美術史を学ぶ。2002年に「パティスリー・サダハル・アオキ・パリ」のオーナーシェフ・青木定治さんと結婚し、03年に長女、05年に長男を出産。現在はフリーキャスター、エッセイストとして活躍している。著書に「金曜日のパリ」「それからのパリ」「小さなパリジェンヌ」「パリ アート散歩」「雨上がりのパリ」「パリごはん」「パリのmatureな女たち」などがある。

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